- 2023/09/29 掲載
NY外為市場=円11カ月ぶり安値近辺、介入警戒感続く
終盤の取引で円は0.27%安の1ドル=149.23円。前日の取引では149.71円と、11カ月ぶりの安値を付けていた。
「介入ライン」として意識される1ドル=150円台が迫る中、鈴木俊一財務相は28日、「過度な変動があれば、あらゆる手段を排除せず適切に対応する」と改めて表明。為替はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要とし、「過度な変動は望ましくない」と強調した。
主要6通貨に対するドル指数は0.40%安の106.21。この日は軟調だったものの、前日に付けた10カ月ぶりの高値(106.84)からそれほど大きく下落していない。週間ベースでは11週連続での上昇となる見通し。
この日の債券市場で、米10年債利回りは4.688%と、2007年以来の高水準を更新。UBS(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、ワシーリー・セレブリアコフ氏は「ドルはリスク心理と米国債利回りの上昇の双方の恩恵を受けている」と指摘。「国債利回りは世界的に上昇基調にあるが、米経済がアウトパフォームしているため、ドルの魅力は続いている」と述べた。
ユーロは0.50%高の1.0554ドル。上昇したものの、1月に付けた安値(1.0482ドル)からそれほど離れていない。
MUFGのシニア為替アナリスト、リー・ハードマン氏は、ユーロ安の要因として米国債利回りの上昇を受けたドル高のほか、米経済の回復力が強い一方で、欧州経済の回復力が弱いという景気循環の乖離を挙げ、ユーロが対ドルで1月に付けた安値を下回れば、1ユーロの価値が1ドルに並ぶ「パリティ(等価)」に近づく可能性もあるとしながらも、欧州で新たなマイナスの衝撃がない限り、パリティは維持されないとの見方を示した。
この日発表の米経済指標では、第2・四半期の実質国内総生産(GDP)確報値が年率換算で前期比2.1%増となった。改定値と一致し、第2・四半期もかなり力強い成長ペースが維持された。
市場では29日に発表される8月の個人所得・消費支出が注目されている。
ドル/円 NY午後4時 149.22/149.27
始値 149.30
高値 149.50
安値 149.16
ユーロ/ドル NY午後4時 1.0562/1.0566
始値 1.0538
高値 1.0578
安値 1.0518
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