- 2023/09/29 掲載
インフレ抑制には雇用喪失が伴うとの見方に誤りある可能性=シカゴ連銀総裁
[ワシントン 28日 ロイター] - 米シカゴ地区連銀のグールスビー総裁は28日、米連邦準備理事会(FRB)が今後の政策を立案する上で過去のインフレとの戦いの歴史に頼りすぎることには「特に注意」する必要があるとの見解を示した。雇用や成長に大きな打撃を与えることなくインフレ率を低下させるという「稀有な事象」の端緒に立っている可能性があるためとした。
ピーターソン国際経済研究所での講演用の原稿で述べた。
同総裁は「インフレと失業率の大きなトレードオフの必然性を強く信じすぎると、目先の政策を誤る重大なリスクが伴う」と指摘。インフレを鈍化させるには失業率の上昇や成長率の鈍化、あるいは景気後退という形で経済に大きな痛みを与える必要があるという「伝統主義的な見方」に疑問を呈した。
その上で、インフレ率が「すぐに」、しかも追加利上げなしにFRBの目標である2%に達する可能性があることを示す最近のシカゴ連銀スタッフ調査を引用した。
講演原稿では、一段利上げに反対すると明言はしなかったが、現状を見誤るリスクへの注意喚起の表現が多くみられた。
また、人々のインフレ期待が「十分に安定」することで、物価上昇のペースを「過去に必要とされたよりも経済的な打撃が少なく」低下させることができると述べた。
同総裁は米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を有する。
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