- 2023/09/16 掲載
NY市場サマリー(15日)ドル軟調、利回り上昇 米株大幅反落
<為替> 米ミシガン大学の消費者信頼感指数の低下を受け、ドルが軟調となった。ただ、週間ベースでは9週連続での上昇となる見込み。円は対ドルで一時147.96円と、10カ月ぶり安値を付けた。
円は週初は大きく上昇していたが、その後はドルが対円で上昇。終盤の取引でドルは0.25%高の147.84円。
この日発表の米経済指標では、ミシガン大学の9月の消費者信頼感指数(速報値)が67.7と、2カ月連続で低下。
労働省発表の8月の輸入物価指数は前月比0.5%上昇と、市場予想(0.3%)を上回る伸びとなった。ただ、燃料と食品を除くコア輸入物価指数は0.2%下落した。
このほか、ニューヨーク連銀発表の9月のニューヨーク州製造業業況指数はプラス1.9と前月のマイナス19.0から上昇した。
フォレックスストリート・ドット・コムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「今のところ、どの経済指標でも米国の景気後退(リセッション)入りは示唆されていないが、フェデラル・ファンド(FF)金利は来年末にかけて金利が低下すると示唆する水準にある」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)のように大幅な金融引き締めを行えば最終的にはリセッションが引き起こされると、信用市場でなお確信されているとすれば、買いはドルに向かう」と述べた。
CMEフェドウオッチによると、FRBが19─20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定する確率は97%。11月のFOMCで0.25%ポイントの利上げが決定される確率は30.6%と、1週間前の43.6%から低下した。
主要6通貨に対するドル指数は0.08%安の105.32。ただ週間ベースでは9週連続で上昇し、連続の上昇期間は12週連続で上昇した2014年以来の長さとなる見込み。
ユ―ロ/ドルは0.2%高の1.0666ドル。欧州中央銀行(ECB)は14日の理事会で0.25%ポイントの利下げを決定すると同時に、利上げ打ち止めの可能性を示唆。これを受け、ユーロは前日の取引で1.0629ドルと、6カ月ぶり安値を付けていた。
週間ベースではユーロは対ドルで9週連続での下落となる見込み。
ポンド/ドルは0.2%安の1.2386ドル。イングランド銀行(英中央銀行)は21日に政策決定会合を開く。
<債券> 利回りが上昇し、2年債利回りが5%を上回った。来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、先物は高金利の長期化を予想している。
ウェルス・アライアンスの最高経営責任者兼マネージングディレクター、ロバート・コンゾ氏は、「パウエルFRB議長は、インフレが正しい方向に進み望ましいインフレ率になるとはっきりするまで、アクセルを踏み続けると言っている。目標に到達するまでにはまだ時間がかかる。このため利上げはもっと長く続くと考えている。近い将来の利下げはないだろう」と述べた。
2年物国債利回りは1.6ベーシスポイント(bp)上昇の5.030%、10年物国債利回りは2.8bp上昇の4.318%だった。
フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む、米連邦準備理事会(FRB)が来週のFOMCで利上げに踏み切る可能性はわずか3%。ただ同金利は2024年7月下旬まで5%を上回るとみられている。
2年債と10年債の利回り格差はマイナス71.6bpだった。
30年債利回りは1.9bp上昇し4.405%となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.316%、10年物が2.346%だった。
<株式> 大幅反落して取引を終えた。消費者需要の低迷を懸念して半導体株が下落したほか、国債利回りの上昇がアマゾン・ドット・コムなどを圧迫した。
半導体製造装置メーカーのアプライド・マテリアルズ、ラムリサーチ、KLAがいずれも4%超下落。半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が主要取引先に納入延期を要請したとのロイター報道を受けた。
エヌビディアが3.7%安、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が4.8%安となったほか、ブロードコム、マイクロン・テクノロジーも2%超下落し、フィラデルフィア半導体指数を押し下げた。
CMEのフェドウオッチによると、市場は9月20日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が金利を据え置く可能性を依然97%とみている。11月に金利を据え置く可能性は67%だった。
金利上昇に敏感なグロース株では、アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトが2%超安、メタ・プラットフォームズが3.7%安となった。
米デザインソフト大手アドビは4.2%下落し約2週間ぶり安値を付けた。
S&P総合500種の主要11セクターは全て下落した。
週間では、S&P総合500種は0.16%下落、ナスダック総合は0.39%下落。ダウ工業株30種は0.12%上昇した。
14日に新規上場したソフトバンクグループ(SBG)傘下の英半導体設計大手アームは4.5%下落した。
ソフトバンクグループと米バイオ医薬品会社アムジェンが支援するバイオ医薬品会社ニューモラ・セラピューティクスが15日、ナスダック市場に新規上場した。初値は16.50ドルと新規株式公開(IPO)価格の17ドルを下回り、公募割れとなった。終値は16.25ドルだった。
米取引所の合算出来高は169億株。先物・オプションの取引期限が集中したため、直近20営業日の平均98億株を大きく上回った。
<金先物> 対ユーロでのドル安を背景に買われ、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比13.40ドル(0.69%)高の1オンス=1946.20ドル。金相場は週間で0.18%高。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 需給逼迫(ひっぱく)懸念が続く中を続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月10月物の清算値(終値に相当)は前日比0.61ドル(0.68%)高の1バレル=90.77ドル。前日に続き昨年11月初旬以来約10カ月ぶりの高値を更新した。取引時間中には一時91ドル台まで上昇した。週間では3.73%上昇。11月物は0.41ドル高の90.02ドルだった。
ドル/円 NY終値 147.82/147.85
始値 147.94
高値 147.96
安値 147.62
ユーロ/ドル NY終値 1.0655/1.0659
始値 1.0655
高値 1.0687
安値 1.0645
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 95*03.50 4.4211%
前営業日終値 95*22.00 4.3850%
10年債(指標銘柄) 17時05分 96*10.00 4.3364%
前営業日終値 96*21.50 4.2900%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.25 4.4651%
前営業日終値 99*25.75 4.4190%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*29.75 5.0368%
前営業日終値 99*31.13 5.0140%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34618.24 -288.87 -0.83
前営業日終値 34907.11
ナスダック総合 13708.34 -217.72 -1.56
前営業日終値 13926.05
S&P総合500種 4450.32 -54.78 -1.22
前営業日終値 4505.10
COMEX金 12月限 1946.2 +13.4
前営業日終値 1932.8
COMEX銀 12月限 2338.6 +39.2
前営業日終値 2299.4
北海ブレント 11月限 93.93 +0.23
前営業日終値 93.70
米WTI先物 10月限 90.77 +0.61
前営業日終値 90.16
CRB商品指数 289.6065 ‐0.6788
前営業日終値 290.2853
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