- 2023/09/12 掲載
長期の分割返済が基本=SBI新生銀の公的資金―野崎東洋大教授
28日に非上場化するSBI新生銀行について、金融論に詳しい東洋大学の野崎浩成教授が時事通信の取材に応じた。経営課題の約3500億円に上る公的資金に関し、野崎氏は「長期で分割返済を進めるのが基本」と指摘。国が預金保険機構などを通じて持つ同行の普通株を優先株に転換し、特別配当を実施するといった手法が現実的との見方を示した。主なやりとりは次の通り。
―新生銀が非上場化する。
過去に注入を受けた公的資金の返済を前提とする以上、(市場の株価と返済枠組みを切り離す)非上場化以外に選択肢はなかった。
―新生銀は公的資金の返済枠組みについて、親会社SBIホールディングス(HD)や国と2025年6月末までに合意する。
10~20年の期間で計画を組み、稼いだ収益をベースに地道に分割返済を進めるのが基本だろう。国が持つ普通株を優先株に転換し、特別配当の形で返済に充てる方法が考えられる。約3500億円のうち約1000億円まで返済が進んだ時点で、第三者のフェアバリュー(適正価格)試算に基づいてSBIHD・新生銀側が国の保有株を買い取り、残りの返済を組み立てることも可能だ。
―返済の詳細を枠組み合意後に見直すことはできるか。
「条件によっては早めに買い取る」というやり方はあおぞら銀行でも前例がある。一方、収益が伸び悩んだ場合に特別配当を先送りすると定めることもあり得る。そもそも国が銀行に公的資金を注入するのは、経営健全性の確保が目的。その趣旨から外れないよう返済計画に柔軟性を持たせておくことは妥当だ。
【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに答える東洋大学の野崎浩成教授=8月17日、東京都文京区 〔写真説明〕インタビューに答える東洋大学の野崎浩成教授=8月17日、東京都文京区
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