- 2023/09/07 掲載
FRB、慎重な政策運営必要 物価抑制に前進の兆し=ボストン連銀総裁
[6日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のコリンズ総裁は6日、インフレ抑制に前進の兆しが出ているとしながらも、連邦準備理事会(FRB)は金融政策の次の動きを慎重に決定していかなければならないとの考えを示した。
コリンズ総裁は講演原稿で「高インフレが長期化するリスクと、過度に制約的な金融政策スタンスが物価安定の回復に必要な以上の活動鈍化をもたらすリスクとを比較検討しなくてはならない」とし、「これまでの政策措置の効果を評価する時間を確保し、その後に適切に行動できるようにするため、政策を決定するにあたり忍耐強く、かつ慎重なアプローチが求められている」と述べた。
その上で「忍耐強い」ということは、経済が物価安定達成に向けた明確な軌道に確実に乗るように時間をかけることを意味し、FRBがインフレ目標の達成に毅然と対応しないということではないと語った。
物価情勢については「緩和の兆しが出ているものの、需要は供給を上回り続けており、物価上昇圧力を生み出している」と指摘。サービス部門の物価上昇圧力は財部門ほど速いペースで緩和していないとし、「このところの改善を、インフレ率が2%に戻る持続的な軌道にある証拠と受け止めるのは尚早だ」と述べた。
労働市場については、労働需要が供給を引き続き上回っているほか、賃金の伸びも高止まりしていると指摘。「労働市場の需給バランスの回復にはまだ少し時間がかかる」との認識を示した。
FRBの金融政策については、大きな経済ストレスを生み出すことなく目標を達成できると期待していると述べるにとどめ、自身が望む政策の次の動きについては明言しなかった。
コリンズ総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。
次回のFOMCは19─20日。利上げは見送られるとの見方が大勢となっている。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR