- 2023/05/25 掲載
夏季の「粘り強い」インフレリスクを懸念=ベイリー英中銀総裁
[ロンドン 24日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁は24日、英国のインフレ率が1桁台に戻ったにもかかわらず、食品価格が依然急上昇していることを受け、夏季の「粘り強く頑強な」インフレのリスクを懸念していると述べた。
英国立統計局(ONS)発表の4月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比8.7%上昇となり、伸びは前月の10.1%から鈍化した。ロイターがまとめた市場予想は8.2%上昇だった。
伸びは鈍化したものの、英国のインフレ率は主要7カ国(G7)の中でイタリアと並んで最も高い水準にある。
ベイリー総裁は米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が主催したイベントで、全般的なインフレ率の低下は歓迎すべきことだが、食品価格が4月に前年同月比で19.0%上昇したほか、勢いを増すコアインフレ率に焦点を当てる必要があると指摘。インフレ期待が低下し、企業は値上げを鈍化させる意向を示しているが、英国の労働市場が極めて引き締まった状態にあることも念頭にかなければならないとし、今後インフレが緩やかにしか低下しないリスクがあると述べた。
一方で、賃金圧力とインフレがどのように相互作用しているかを表現するのに「スパイラル」という言葉は適切ではないとした。
また政策金利を決定するにあたり中銀は経済データを注視すると改めて表明。「インフレ率を目標まで引き下げることに絶対的にコミットしている」と述べた。
関連コンテンツ
関連コンテンツ
PR
PR
PR