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- 2021/08/17 掲載
【図解】うんこドリルが売れ続ける本当の理由とは? 「うんこ編集部」に聞いてみた
新連載:図解!ヒットの理由
日本に「うんこ」の市場ができた、そして世界へ
「うんこドリル」シリーズの初版は2017年3月発売。「うんこ」×「学習参考書」という意外性抜群の組み合わせは、Twitterを発端にネットで一気に拡散した。テレビや新聞などのマスメディアもこぞって取り上げ、「うんこ漢字ドリル」は発売2カ月で270万部という大ヒット商品となった。
小学生向けの漢字と算数を中心に、英語や夏休みドリル、未就学児向けの教材なども加わって、現在までにシリーズ累計117点。累計発行部数は840万部を越えた。 「『うんこ』の市場ができた」と石川氏が言うように、今ではどこの書店でも学習参考書コーナーの一角を占めている。「うんこドリル」はブームを越えて、学習ドリルの新定番になったのだ。
それだけではない。「うんこ」は世界進出を果たし、近くフィンランド版が発売される予定。他複数の国で出版プロジェクトが進行している。「『うんこ』は普遍です!」と品田氏は胸を張る。
「うんこの面白さを世に出したい」というプロダクトアウト商品
奇想天外な「うんこドリル」の構想は、作家で映像ディレクターの古屋雄作氏がひたすら「うんこ」を詠んだ「うんこ川柳」が原点だ。古屋氏は文響社の山本周嗣社長の古い友人で、「これは面白い!」とふたりで書籍化を企画した。
しかし、冷静になると、川柳を誰に届けたら良いのか、イメージできない…。こちらから「面白いでしょう?」と差し出すだけでは社会に響かない、と考えた。そこで、かねて「勉強嫌いな子どもの学習支援がしたい」と考えていた山本社長が、学習ドリルでの「うんこ」の活用を提案した。
「うんこドリル」のはじまりは、「うんこのおもしろさを世に出したい!」という古屋氏の情熱、いわばプロダクトアウトの発想だ。それが、学習ドリルの新定番にまで進化したのは、「子どもの勉強嫌い」という課題に正面から向き合い、現実の解決策を提供しているからだ。
うんこ事業部には、多くのユーザーからの感想が寄せられている。
- 子どもが自ら机に向かうようになった
- 漢字自体に興味を持つようになった
- テストの点数が上がった
- 放課後の児童クラブで人気
- 親子で笑いながら学習できる
学習ドリルはどんなにおもしろくても、使ってみて学習に役立つものでなければ、次からは買ってもらえない。「うんこドリル」シリーズは、進級の度に購入するリピーターを確保。子どもの学習に悩むママ友の間で、勧められるケースも多いという。
【次ページ】絶妙なバランス感覚が「うんこ」をユーモアとして成立させる
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