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AzureにVMwareを乗せた「VMware virtualization on Azure」の発表に対し、VMware上級副社長はブログで「VMwareは開発に関わっていない」と牽制。その背景にある両社のクラウド戦略を解説する。
マイクロソフトは先日、AzureのベアメタルサーバにVMwareを乗せた「VMware virtualization on Azure」を発表しました。VMwareからは、さっそくこれを牽制する発言が飛び出しています。
VMwareのクラウドサービス部門製品開発担当上級副社長であるアジャイ・パテル氏が、「VMware virtualization on Azure」にVMwareは関わっておらず、認証もサポートもしていないと、ブログ「
VMware – The Platform of Choice in the Cloud」で次のように書いています。
This offering has been developed independent of VMware, and is neither certified nor supported by VMware.
このサービスはVMwareとは関係なく開発されたものであり、VMwareによる認証もサポートもされていない。
どうやらVMwareはマイクロソフトが発表した「VMware virtualization on Azure」が気に入らないようです。なぜでしょうか?
さまざまなクラウドと提携するVMwareだが……
VMwareはクラウドにおけるVMware環境を充実させ、オンプレミスでVMwareを利用しているユーザーに対して、スムーズにクラウドへ移行する選択肢を提供しようと、さまざまなクラウドベンダとの提携や協業を行っています。
例えば、Amazon Web Services(AWS)と戦略的提携の下で、AWSのベアメタル上にVMwareを乗せ、VMwareが運営するクラウドサービス
「VMware Cloud on AWS」の提供を8月から開始しています。
また、IBMとも戦略的提携の下で、IBM Cloudのインフラ上でVMware環境を提供する「
IBM Cloud for VMware Solutions」を開始。
ほかにも
NTTコミュニケーションズとの提携や、VMwareにコミットするクラウドプロバイダとして富士通やRackspaceなど5社を「VMware Cloud Verfied」として
選定するなど、さまざまなクラウドベンダとの提携や協業によって、クラウドにおけるVMware環境の提供を推し進めています。
しかしマイクロソフトのMicrosoft Azureに関しては、こうした協業や提携は行われていません。
VMware virtualization on Azureはプレミアム認定パートナーが協力
マイクロソフトも「VMware virtualization on Azure」の開発においては、VMwareではなくVMWareのプレミアム認定パートナーの協力を得て開発していることを明らかにしています。
プレミアム認定パートナーがどこなのか、名前は伏せられたままです。
VMwareはMicrosoft Azureに関する協業や提携を行わず、「VMware virtualization on Azure」にも協力せず、それどころか牽制するような発言を示しています。
その理由は2つ考えられます。
【次ページ】 VMwareとマイクロソフトが手を結べない2つの理由。それでもなぜマイクロソフトはVMwareをAzureに乗せるのか?
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