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GMOクラウドは17日、同社の2014年度の方針と、次期サービスを発表した。クラウドサービスとしては後発ではあるが、ホスティング事業でのさまざまなノウハウを蓄積した同社が、2014年度にどういった戦略で開発を進め、顧客を獲得していくのだろうか?
標準化、互換性、拡張性をコアに事業を進める
まず2014年度の方針説明について、同社 取締役 技術部門統括兼 最高技術責任者(CTO)の唐沢 稔氏が登壇。同社のこれまでの歩みを紹介した上で、「国内初の100%SLAの共用ホスティングサービスや、国内初のVPS販売、国内初のリソース型クラウド提供など、『初物』や『業界1位』にこだわって事業を展開してきた」と同社の特性を強調した。
続いて唐沢氏はクラウド市場の動向について、PEST分析(Political、Economic、Social、Technologyの観点からマクロ環境を分析する手法)や市場規模予測、日米における利用率動向の格差、テクノロジーのハイブ・サイクル、業界を引っ張るアマゾンやグーグルの動きなど、さまざまな角度から分析。その結果、「技術革新はいろいろあるが、この10年を振り返ると、『インフラ』への用途やニーズは変わっていない」とし、「簡単に、お客様視点で運用しやすく、しかも長い視点でビジネスのベースとして利用できる、という3つの柱を、我々は常に意識して業務に取り組んでいく必要がある」と決意を述べた。
これらの視点を踏まえ、唐沢氏は同社の2014年度の方針を『標準化』『互換性』『拡張性』という3つの言葉に集約して説明した。標準化は、たとえばエンタープライズからスモールビジネスまで訴求できる広範囲のニーズへの対応や、オープンソースの採用などによって人的リソース含むシステム調達を容易にすることを指す。互換性は、AWSや他社の標準的なクラウドとのAPI連携、ISO/イメージによる相互乗り入れなどが挙げられる。拡張性は、SaaS/PaaSプラットフォームへのデプロイメントの優位性や、シェアード/VPS/オンプレミスとの連携性を確保することだ。
最後に唐沢氏は「お客様を中心に据えながら、『標準化』『互換性』『拡張性』をコアとして今後の事業を進めていく」と述べ、2014年度の方針説明を締めくくった。
SIer向けの機能豊富なクラウドサービス
続いて、上述のようなコンセプトを基に作られた同社の新サービス「GMOクラウドPublic 次期サービス(仮称) ~Isolateシリーズ~」(以下、Isolateシリーズ)について、同社 技術部 サービス企画セクション 石田 勝彦氏が登壇して解説した。同社がさまざまなクラウドサービス提供を続ける中で、「中小規模のシステム開発者やSIerに注力したサービス、弊社の強みでもあるコストパフォーマンス、他社クラウドとの互換性であったりAPIによる操作の強化」といった新たなニーズが判明したと石田氏は言う。
こうしたニーズを踏まえ、「ターゲット層を分解して、それぞれのターゲットに合わせて順次(予定では4段階)サービスを提供していく」とし、その第1弾としてIsolateシリーズは位置づけられている。
Isolateシリーズは、Apache CloudStackを備えるCitrix CloudPlatformを採用したパブリッククラウドサービス。高い柔軟性と拡張性を持ち、オンプレミスの移行先としても使えるセキュリティを備える。また、必要に応じて組み合わせることができる、利便性の高い豊富な機能を搭載しているという。「スナップショットやボリューム化、テンプレート化したものを、お客様の環境にダウンロード/アップロードできる点も特徴。弊社に縛られることなく、他との互換性も活かした構築ができる」と説明した。
なお、Isolateシリーズのターゲットについて石田氏は、「インフラ構築者、システム開発者が一番のメインになってくると思う」とし、「お客様の設計や利用方法で、あらゆるシーンで活躍するクラウド基盤として、今回のIsolateシリーズを先行してリリースさせていただく」と語った。
今後のスケジュールは、1月28日よりβ版の提供を開始し、正式版は3月初旬からの開始を予定しているという。
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