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- 2013/04/02 掲載
Software-Defined Networkでは何ができて、どんなメリットやデメリットがあるか
SDNはビジネスのアジリティを提供する
1つ目は3月12日に公開された「Ending the Confusion About Software-Defined Networking: A Taxonomy」(Software-Defined Networkについての混乱を終わらせよう)という文書。ちなみにガートナーはSoftware-Defined Networking(以下SDN)と、最後にingを入れることで用語を統一しているようです。まず、ガートナーらしい簡潔なSDNのまとめをこう記述しています。
Software-defined networking (SDN) is a new approach to designing, building and operating networks that focuses on delivering business agility while lowering capital and operational costs.
SDNはネットワークの設計、構築、運用に関する新しいアプローチで、投資と運用のコストを下げつつビジネスのアジリティを提供することにフォーカスしている
技術的なSDNの定義は、あとで紹介する2本目の文書中において、「コントロールプレーンとデータプレーンを分離して、集中管理する」という特徴を指摘しており、一般的なSDNの定義と変わりません。上記ではSDNがビジネスのアジリティを提供するという点にガートナーの視点がうかがえます。
また、技術的な視点からのSDNがもたらす変化は、次のように書いています。
SDN represents a shift from (per box) element-based control to network-based control.
SDNは、ネットワークを(筐体ごとの)要素ベースのコントロールから、ネットワークベースのコントロールへのシフトを体現している。
SDNが引き起こす変化を俯瞰してみると、たしかにそう言えそうです。だからこそ、このネットワーク全体を管理するソフトウェアの主導権をどこが握るのか、ネットワークベンダーから仮想化ソフトベンダ-、管理ツールベンダー、そしてクラウド基盤ソフトウェアなどさまざまなプレイヤーがいままさに覇を競おうとしているところです。
さて、ネットワーク仮想化とSDNの関係は混乱しがちな点だと思われますが、ガートナーは次のように説明しています。
While some vendors equate SDN with network virtualization, network virtualization is simply one of the applications supported by SDN. Limiting the discussion of SDN to network virtualization limits the value that can be achieved and may steer you toward an inappropriate choice.
いくつかのベンダはSDNとネットワーク仮想化を同じものとしているが、ネットワーク仮想化は単にSDNがサポートするアプリケーションの1つだ。SDNの議論をネットワーク仮想化に狭めておくのは、その価値を制限してしまうとともに、不適切な選択にも向かいかねない。
ネットワーク仮想化がSDNのアプリケーションの1つだという説明は、一昨年の記事でPublickeyでもそう説明していたので、ガートナーと見解が一致していて少しほっとしています。
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