• 会員限定
  • 2012/10/16 掲載

重要性を増すキーワード、クラウドの「マルチテナンシー」

セールスフォース vs. オラクル 挑発合戦の裏側

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
クラウドを低価格で提供するためには、1つのサーバにいかに多くの顧客を詰め込めるかという「密度」が重要になります。密度が高ければ高いほど安い単価で顧客にサービスを提供できるからです。

「マルチテナンシー」を実現するOracle Database 12c

 先週サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2012で発表されたオラクルの次期データベース「Oracle Database 12c」の目玉機能は、データベースをクラウドで使う際にサーバ当たりの顧客数をいかに高められるか、密度を上げられるかを追求したものでした。

 オラクルはそれを「データベースのレベルでマルチテナンシーを実装したもの」と表現しています。1つのデータベース上で複数の顧客(=テナント)を共存させつつ安全に分離することで、効率よく高い密度でサービスを提供するわけです。

photo

 顧客ごとに別々のデータベースを起動する方法と比べると、マルチテナンシーを採用したOracle Database 12cは5倍もハードウェアリソースを利用する効率が高く、スケーラブルだと説明しています。

photo

photo

 図の一番左、テナントごとに別々のハードウェアを利用したときには、テナントごとに1GB以上のメモリが必要となります。その右、ハイパーバイザによってハードウェアを共有しても、OSイメージが別々ならば引き続きテナントごとに1GB以上のメモリが必要。

 これがOSイメージを共有するとテナントごとに必要なメモリは100MB単位となり、ミドルウェア(例えばWebSphere)まで共有してアプリケーションレイヤで分離すればテナントごとに必要とするメモリは10MB単位程度。

 さらにアプリケーションも共有し、内部的にテナントを分離すれば10KB単位のメモリで済むというのです。

 この資料はテナントの分離方式によってテナントの密度は優に1000倍もの開きがあることを示しており、密度はそのままサービスの単価に跳ね返ってくるわけです。例えば、単純に計算して10GBのメモリを搭載したサーバをハイパーバイザでテナントごとに分離するとわずか10テナントにしか貸し出せないのに対し、アプリケーションまで共有してテナントに貸し出せば1万テナントにも貸し出せることになります。

テナント分離方式には1000倍以上の開きがある

 Oracle OpenWorld 2012と同時開催されたJavaOneではIBMがマルチテナンシーについて実に面白い資料を公開しました。下記の図は、テナントの分離方式の違いによって、テナントごとにどれだけのメモリリソースを消費するかを示した図です。下から「Hardware」「OS image」「Middleware」「Application」とレイヤが分かれています。

fig

 図の一番左、テナントごとに別々のハードウェアを利用したときには、テナントごとに1GB以上のメモリが必要となります。その右、ハイパーバイザによってハードウェアを共有しても、OSイメージが別々ならば引き続きテナントごとに1GB以上のメモリが必要。

 これがOSイメージを共有するとテナントごとに必要なメモリは100MB単位となり、ミドルウェア(例えばWebSphere)まで共有してアプリケーションレイヤで分離すればテナントごとに必要とするメモリは10MB単位程度。

 さらにアプリケーションも共有し、内部的にテナントを分離すれば10KB単位のメモリで済むというのです。

 この資料はテナントの分離方式によってテナントの密度は優に1000倍もの開きがあることを示しており、密度はそのままサービスの単価に跳ね返ってくるわけです。例えば、単純に計算して10GBのメモリを搭載したサーバをハイパーバイザでテナントごとに分離するとわずか10テナントにしか貸し出せないのに対し、アプリケーションまで共有してテナントに貸し出せば1万テナントにも貸し出せることになります。

【次ページ】 先に重要性を訴えていたのはセールスフォース
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます