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帝国データバンクは1日、「東日本大震災関連倒産」の動向調査結果を発表した。本調査は、2011年7月1日に続いて8回目となる。
「東日本大震災関連倒産」の動向調査結果によれば、7月の東日本大震災の影響による企業倒産は49件で、集計開始後初の前月比減少となった。増加が続いた関連倒産はここにきて一服したものの、阪神大震災時の月間最多件数(32件、95年4月)を大きく上回るなど、依然として高い水準で推移しているという。
7月末時点の累計は258件に達し、震災発生から約5ヵ月時点で、阪神大震災時(102件)の約2.5倍の発生ペースが続いている。倒産企業の従業員数も3917人を数えた。
地域別では、7月は関東(19件)が最も多い。北海道(7件)、東北(10件)、四国(3件)の3地域が増加。一方、九州は発生しなかった。倒産パターン別では、7月も「間接被害型」が47件と全体の95.9%を占めた。「直接被害型」は2件の判明にとどまったという。業種別では、7月も「建設」(10件)の倒産が目立ち、全体の2割を占めた。それに「建材・木材卸」(5件)、「外食」(4件)が続いた。
帝国データバンクでは阪神大震災時でも4か月目まで増加を続けたあと、5か月目に初めて前月件数を下回るなど、今回の震災との共通性を挙げる。ただし、阪神大震災では兵庫県の倒産が5割を占めた一方で、今回は岩手、宮城、福島の東北3県は15%に過ぎないと指摘。7月22日に同社が発表した調査によれば、実質営業不能の企業数が約2500社を数えるなど、倒産の危機に瀕する企業は多いという。
今後は、こうした震災による直接被害を受けた被災地企業の倒産判明が進むほか、原発事故や取引先被災による間接被害の広がりも全国各地で予想されることから、震災関連倒産は引き続き高水準で推移する見通し。
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