- 2008/03/11 掲載
九州大学とNTTなど、ブロードバンドを活用した遠隔医療実験の結果を発表
九州大学、NTTコム、NTTは、総務省が推進する国際情報通信ハブ形成のための高度ICT共同実験の一環として、ブロードバンドを活用するアプリケーションの充実と、アジア地域の情報流通の活性化を目指した遠隔医療実験を行った。その中で、先進医工学技術を中心とした高度医療・診断技術の国際展開・普及、およびその技術取得を可能とするメディカルテレインストラクション環境構想実現のための課題抽出と実現性の検証を行うことができた。
実験内容は、まず日本(九州大学)とタイ(チュラロンコン大学)の医療機関を、情報通信研究機構が運用するテストベッドネットワーク(JGN)で接続。同ネットワークを使い、双方向リアルタイムコミュニケーションシステム、医療技術の遠隔指導に用いるアノテーションシステム、指導用映像の蓄積・配信システムなどを使用して、高度医療、診断技術のテレインストラクション実験、並びに遠隔手術ロボットを用いた遠隔手術の基本機能検証などを実施したという。
その結果、遠隔指導、遠隔手術を実施する際のネットワークシステム構成、コミュニケーション用映像・音声機器の特性・品質、遠隔指導時のICTツールなどの基本要素技術の有効性を確認するとともに、ネットワーク構成や帯域、遅延時間などに関する知見を得ることができた。
また、各種CODECの国際間遅延特性の検証、内視鏡手術に必要となるエンコードレートの明確化に対する主観評価実験、この研究にて開発したシステムの実証実験においても、良好な結果を得た。
今回得られた成果は、アジア地域におけるブロードバンド環境整備の促進剤となる先導的なアプリケーションの実現性や有効性を国内外に示すとともに、今後、日本を中心とする世界規模での遠隔医療を実現するための基盤として活用されることが期待できる。また、メディカルテレインストラクション実証実験を通して得られた成果の実用化を進めるとともに、遠隔医療全般の技術課題の洗い出しや改良点を検討し、遠隔医療の更なる発展とアジア地域への国際貢献の目標の下、引き続き共同での検討を進めるとしている。
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