- 2007/12/19 掲載
富士通、証跡管理ソリューション強化で、シンクライアントの操作ログも取得可能に
「Systemwalker」は、ITILに基づいて運用管理を実現するミドルウェア製品。1995年に国内初の統合運用管理製品として発売されて以降、累計で559万本を売り上げている。来年の日本版SOX法施行に向け、ITシステムを使った統制に関心が高まっていることから、今回、同製品の証跡管理機能を強化した。新機能を軸に拡販施策を実施し、今後2年間で200万本の販売を目指す。
今回の強化点は3つ。まず、シンクライアントの操作ログの取得が可能になったこと。これまでは、不可能だった仮想端末上の作業者ごとにログを記録できるようになった。「Citrix Presentation Server」のインターフェースと連携することにより、情報を採取する仕組み。これにより、ファイル操作ログ、印刷ログ、コマンドプロンプト内操作ログを記録できるという。発表会に出席した、ソフトウェア事業本部ミドルウェア事業統括部第二ミドルウェア技術部プロジェクト課長堀江隆一氏は、「シンクライアントの市場が伸びている。2011年には、50万台(企業のPC総数の10%)に達するとの予測もある」と語り、シンクライアント操作ログ管理のニーズが増えていることを明かした。
次に、点検レポートの範囲拡大が特徴。対象をOS・システム領域からミドルウェア・アプリケーション領域に拡大したことにより、ジョブスケジュール定義の変更・操作のレポート作製が可能になった。これにより、運用ルールと照らし合わせて操作に問題があったかどうかを確認することができる。
最後に、同社のストレージ「ETERNUS AS500」と連携することでログの安全な長期保管を可能にしたことが挙げられる。改ざん防止、原本保証で真正性を保証しつつ、ストレージ側に、「Systemwalker」から見えるAPI(Application Program Interface) を設置したことで、機密性を確保している。また、ストレージ内には、次世代メディアへの自律的にデータを移行する「新陳代謝機能」などが盛り込まれているため、長期保管のための特別な操作が不要となっている。
ソフトウェア事業本部 システムマネジメント・ミドルウェア事業部事業部長新田将人氏は、「ログを溜める証跡管理から、統制を効かせる証跡管理へ移行させていきたい。これからは、定常的な点検で『問題がない』ことを証明することが大切」と語った。
なお、3機能を搭載した製品はすでに販売されている。シンクライアントの操作ログが取得可能な「Systemwalker Desktop Keeper」は10月下旬に発売され、価格は45万円。ストレージと連携したり、運用まで含めた点検レポートが可能な「Systemwalker Centric Manager V13.2」は価格50万円から。
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