- 2007/12/17 掲載
【国内仮想化 市場調査】「仮想化はITインフラの概念を大きく変える」IDC 井出氏
IDC Japanでは、仮想化市場を次のように2つに定義している。バーチャルマシンソフトウェア市場とバーチャルユーザーインターフェースソフトウェア市場。バーチャルマシンソフトウェアとは、特定のハードウェア環境の低レベルなき能を利用、あるいは複数のOS環境上で特定のハードウェアの環境をエミュレートするアプリケーション、開発環境、システムインフラストラクチャソフトウェアスタックの集合だという。バーチャルユーザーインターフェースソフトウェアは、ノンネイティブ環境への分散を目的として、バーチャル化されたユーザーインターフェースをOS内に構築するソフトウェアで、サーバ上で稼働するとしている。
これらの市場規模は、バーチャライゼーションソフトウェア市場が、前年比64.9%増の58億3000万円。一方、バーチャルユーザーインターフェースソフトウェア市場は、同比18%増の104億円となった。ともに高い成長率を達成した。前者の高成長の要因としては、2006年に入り開発テストを終えた多くの企業が本番環境へと移行。事例が増えることでサーバ統合のコストメリットが実証されるようになり、市場の拡大へと繋がっていった。IDC Japanでは、今後2011年までで年平均39.8%で成長していくと予想。2011年の市場規模は、311億8100万円に達すると見込む。
バーチャルユーザーインターフェースソフトウェア市場の拡大要因は、個人情報や企業の機密情報対策、セキュリティ強化、またオンデマンドな情報へのアクセスを可能にすることから、同ソフトウェアは全社インフラとして導入されるケースが増加し、適用範囲が広がったという。2007年も導入の拡大傾向にあり、2011年まで年平均17.4%で成長し、2011年には232億2900万円の規模に達すると見込んでいる。
「仮想化のテクノロジーは、今後のITインフラの概念を大きく変える可能性を十分に秘めており、さまざまなビジネスを創出していくであろう」(井出氏)。井出氏は、仮想化への需要が高まるなか、ユーザー企業に対し、次のように提言している。「自社ビジネスの変化の振幅、スピードを捉え、必要なインフラストラクチャとして仮想化ソリューションを採用すべきである」「ビジネスのスケーラビリティに見合ったソリューションを選択し、十分な経験のあるベンダーを利用すべきである」
![]() Source: IDC Japan, 10/2007 |
図:仮想化ソフトウェア市場売上額予測、2006年~2011年
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