0
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
携帯電話は事業者の基地局の電波で通信を行う。そのため、もしビルの影や人里離れた田舎など、電波の届かない「圏外」では通話を諦めるしかなかった。だが、そんな状況に風穴を開ける仕組み「フェムトセル」の動きが着々と進行中だ。
携帯電話の「圏外」がなくなる
携帯電話は、通信事業者が設置した「基地局」の電波を使って通信を行っている。携帯電話基地局は鉄塔やビルの屋上などに設置され、半径数100m~数kmをカバーする。この基地局を多数設置して面展開し、電波が届かないエリアがないように運用している。この、1つの基地局がカバーする範囲を「セル」と呼んでいる(
図1)。
図1 従来の基地局におけるセルのイメージ
|
1つの基地局がカバーする範囲を6角形のセルとして、 いくつもの基地局を設置している。 人口密集エリアは小さなセルで基地局の数を増やしている
|
ただし、セルのエリア内であれば必ずしも電波が届くというわけではない。ビルの谷間や高層ビルの上など、電波が届きにくい場所では、通話が途切れたり音質が悪くなる。特に、ビルの中ではコンクリートなどの障害物に遮られがちで、どうしても通話が難しい場所ができてしまうものだ。
この状況を改善するには、通信事業者に別途、ビルや地下街などの施設内に特別に小型の基地局設備を設置してもらう、というのがこれまでの常識だった。その際、通信経路は事業者の用意する回線を使う。小型とはいえ、色々と工事が発生し、費用も最大で数100万円クラスにのぼる。
この問題を解決する切り札が「フェムトセル(フェムトは1000兆分の1を示す言葉)」だ。フェムトセルは、従来の小型基地局よりもさらに小さな、超小型基地局と言える。セルをカバーする基地局の電波出力は0.5W~30Wに対し、フェムトセルの出力はわずか20mW程度。数10~数100mというごく限られた小さなセルを作る。外観はブロードバンドルータや無線ルータのような形をしており、手軽に基地局を設置して「圏外」を解消できる。
ここから先は「ビジネス+IT」会員に登録された方のみ、ご覧いただけます。
今すぐビジネス+IT会員にご登録ください。
すべて無料!今日から使える、仕事に役立つ情報満載!
-
ここでしか見られない
2万本超のオリジナル記事・動画・資料が見放題!
-
完全無料
登録料・月額料なし、完全無料で使い放題!
-
トレンドを聞いて学ぶ
年間1000本超の厳選セミナーに参加し放題!
-
興味関心のみ厳選
トピック(タグ)をフォローして自動収集!
関連タグ