- 2007/12/07 掲載
NEC、「iEXPO2007」で月周回衛星「かぐや」実物大試験機など最先端技術を披露
マーケティングや顧客分析に役立ちそうなのは、顔認証技術「NeoFace」。例えば、同技術を応用した「顔跡」(参考出展)は、監視カメラの映像の中から、人の顔を検出し、顔画像を蓄積する。性別、年齢層を自動推定したり、あらかじめ登録しておいた顔画像と照らし合わせて特定人物を検知することもできる。人間が眼で見た精度と同じレベルで子供から老人までを見分けられるため、遊園地での迷子探し、不審者発見、老人ホームの入居者の徘徊監視などへ技術応用が期待されるという。
「NeoFace」は、すでに香港の入国管理システムなどに導入済み。この顔認証技術を使えば、広告映像の前で立ち止まった人や、ショッピングモールの来場者の性別・年齢を分析したレポート作成などが可能になる。将来的には、それらの人々の滞留時間を分析して、関心度合いを推測する、などの使い方が期待されている。
12月3日に発表されたばかりの技術は、「UNIVERGEシンクライアント在宅勤務ソリューション」。自宅にシンクライアント端末を設置することで、社内で仕事をしているような環境を実現するという。自宅にいながらの内線電話、同僚の勤務状況を示すプレゼンス表示機能もついている。ブース担当者によると、「シンクライアントにすることの最大の目的はセキュリティだった。しかし、実際に使ってみると、使い心地がいい。データセンター内でサーバーが高速に処理して、自宅パソコンに情報が送られてくるため、重いデータにいらいらすることがなくなった。シンクライアントを使った思いがけないメリット」と説明した。
ユビキタス社会の実現が間近に迫っていることを感じさせるのは、携帯電話が端末となる赤外線通信による情報提供システム。携帯電話の電波が届かない地下や工場でも配信可能。例えば、解釈の難しい美術品に向かって、携帯電話をかざし、赤外線通信を行えば、その情報が手に入る、といったことも可能になるという。街中の広告連携ツールとして実用化を検討中。青森県立美術館では、赤外線マーカを用いて、来館者が手にする専用端末にナビゲーションを送る装置をすでに導入している。
そのほかにも、蛍光灯から電気を作り出すため半永久的に使える「蛍光灯給電無線カメラ」、POS操作と連携して防犯カメラが作動するソリューション、1台の読み取り機で複数の種類のFelicaが使える電子マネー決済ソリューションを搭載した自動販売機など、今後実用化が見込まれる製品も参考出展されていた。
なお、注目を集めた展示品は、国内初お披露目となった高さ約6メートルの月周回衛星「かぐや」の実物大試験機。トランスポンダ(中継器)などの主要部品をNECが作成している。同社広報担当者は、「宇宙に飛ばしたら修理ができないため、最高のミッションクリティカル製品といえる。NECが宇宙航空分野でも高い技術を持っていることを広く知ってもらいたい」と話した。
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