- 2007/12/05 掲載
ネットワークを守ることは国や平和を守ること--米NIKSUN 会長 兼 CEO パラグ・プルーティ氏
【ITキーパーソンインタビュー(12)】
米NIKSUN社 創業者、会長 兼 CEO パラグ・プルーティ氏 |
ご存じのように、近年IPネットワークを通じたビデオや音声のやりとりが本格化しています。それに伴い、各企業において旧来のネットワークではまかなえないほどのトラフィックが発生し、より高機能で柔軟なネットワークへと拡張、統合する動きが広まっています。業界の再編も加速度的に進んでおり、ネットワークの基幹技術を持つ企業が新技術を持つ企業を次々に買収していっています。新しい企業が次々と生まれては買収、統合されていくということの繰り返しです。
また、国の基幹システムや防衛システムなどにもIPネットワークの利用が広がっています。かつては専用線を使い、クローズドなネットワークで処理していたような場合でも、今日ではインターネットが使われているのです。専用線の持つ確実な安全性よりも、インターネットを利用した場合に得られるコストメリットや利便性の高さを選んだ結果と言えるでしょう。いまやIPネットワークを守るということは、国や平和を守ることにもつながる重要な課題だと言えるかもしれません。
──ネットワークへの攻撃で、現在のトレンドのようなものはありますか?
ネットワークに加えられる攻撃の性質は、確実に変化しています。かつては企業や政府のネットワークに侵入すること自体を面白がっていましたが、今では明確に機密情報や金銭情報を求めて侵入しています。かつては物理的な窃盗として行われていた犯罪もオンライン化しているのです。悪意ある攻撃が具体的な金銭被害につながるケースが増えているため、セキュリティマーケットはこれからも活況を呈するだろうと考えています。
──セキュリティに対する要求はこれからも高まり続けるということでしょうか?
そうです。アメリカでは9.11テロ事件の後、セキュリティ対策に力を入れる企業が増えました。これからも何かの脅威があるたびに、新たなセキュリティ対策が施されていくでしょう。セキュリティツールはまだ歴史が浅く、進化と普及にはまだまだ時間がかかるだろうと感じています。たとえば、今やファイアウォールを設置していない企業はほとんどありませんが、IDSやIPSを導入していない企業はまだあるでしょう。コンテンツプロテクションの分野にいたっては、まだ普及し始めたばかりという状況です。これらがもっと使いやすくなり、利用企業のすそ野を広げていくには、まだ10~15年の時間がかかるのではないかと、個人的には予想しています。つまり、その間はまだまだセキュリティマーケットは拡大し続けることになります。
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