- 2007/10/04 掲載
【ITサービス 市場調査】2011年には5兆7.937億円規模に
・2006年~2007年の国内ITサービス市場を牽引する金融/製造業は、2008年以降緩やかな下降傾向に
・国内ITサービス市場は堅調に拡大を続けるが、大型案件の収束や新規IT投資領域の減少/不在など、サービスベンダーにとって長期展望は楽観視できる状況ではない
IDC Japanは、国内産業分野別ITサービスの市場規模予測を発表した。これによると、2006年の国内ITサービス市場規模は、前年比3.7%増の4兆8,783億円。同市場は、2006年~2011年まで年平均3.5%で成長し、2011年には5兆7.937億円に達する見込みだという。
2006年~2007年の国内ITサービス市場の成長を牽引する「金融」「製造」は、アウトソーシングの活用、商品/サービスの拡充への対応、コンプライアンス強化など多様な領域に対するIT投資は継続する。しかし大規模案件が収束に向かうため、2008年以降、前年比成長率を緩やかに下げながら推移するとIDCではみている。また、堅調な成長を遂げてきた「流通」「通信/メディア」は、2011年まで継続した安定成長を見込んでいる。一方、IT投資抑制傾向が強く見られる「政府/公共」では、長期的な運用管理コスト削減を目的とするシステム刷新案件が大きく寄与し、2007年以降前年比成長率を上げていくと予測している。
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図1.国内ITサービス市場 中分類別投資額予測、2006年~2011年
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2007年以降の国内ITサービス市場は、堅調な拡大が予測される。しかし、大型案件の収束やスモールスタート化、新規IT投資領域の減少/不在、ITサービスのコモディティ化など、サービスベンダーにとって長期展望は楽観視できる状況ではない。また、ITコストの削減のみならず、迅速なシステム構築や、安定性と可用性に優れた運用管理を重要視する企業の増加が見られる。さらには、企業は自社業務に合致した情報システムを求めており、産業/業務に特化したソリューションに対する需要が高まっている。「企業はコスト削減などの効率化と、競争力強化に繋がる情報システムを求めている。これらの要求を満たすためには、ITインフラストラクチャを標準化することによってコスト削減と俊敏性を実現し、顧客業務視点によって差別化されたアプリケーションの提供が重要である」とIDC Japan ITサービス リサーチマネージャー 松本聡氏は述べている。
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図2.国内産業分野別ITサービス市場 投資額予測、2006年~2011年
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