- 2007/06/13 掲載
「驚くほど小さくなった」ネットワークのあれこれ~Interop Tokyo 2007 ShowNet~
Interop Tokyo 2007
Interop開催に先駆けて、プレス向けに見所を紹介する「Interop 2007 Tokyo ShowNet Walking Tour」が開催された。
このプレスツアーは、Interopの出展社や来場者向けに提供されるネットワークインフラ基盤であるShowNetの見所を紹介し、「1~2年以内に実用化される技術(奈良先端技術大学 山口英氏)」で社会的な課題に一定の答えを提示する。
全体的にすっきりした、というのが今回の率直な感想だ。実際1PODあたりの電気容量は減り、POD自体も極めて例年に比べて明らかに小さくなっているほか、「とにかく筐体が驚くほど小さくなった」と山口氏も感想を漏らす。天井を張り巡らすネットワークケーブルも「94年当時に比べて軽くなったので柔軟に敷設できるようになった」のだという。
システムの具体的な話に入ろう。今回はIPv4/IPv6を同一ポリシー、同一運用基盤で運営し、完全にパラレルで提供している。ただし、来場者に自由にPC利用を提供するShowNet Cafeでは、「IPv6オンリーでどれだけストレスフリーな環境を実現可能か」を試すため、Windows Vistaが全面的に導入されている。
また、本格的なデモは国内初となる4オクテット AS(それぞれの組織が保有・運用する小規模なネットワーク)間伝送を実施し(通常は2オクテット、1オクテットは8ビット)、複数の相手に同じデータを提供(IPマルチキャスト)している。
QoS(通信品質保証)とセキュリティも徹底しており、同時開催されているIMCで用いられている動画系はプライオリティを高くするなどの配慮がなされている。
各エリアにインフラを提供するNOCの構成は基本的に光基盤の集積→多重化→L2化→モニタリング用ツール(パケットキャプチャなど)、そして適宜冷却や電源管理(UPS)などを伴うことになる。
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NOCに設営されているラック。上から光電送装置とそれを束ねるパッチパネル、それをL2化している。 |
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こちらのラックはオペレーションやセキュリティ向けのアプリケーションを搭載したサーバなども積んでいる |
これらのNOCで使われたさまざまな機器については、今回より「All About ShowNet ブース」が新たに設けられ、運営に関わった機器を紹介しながら、携わったNOCのメンバーたちがそれぞれ生のコメントを書き込んでいる。
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All About ShowNetブース。敷設に携わったNOCのメンバーたちが好きずきにその雑感を書き込んでおり、手作り感が満載だ。各ラックごとのサーモグラフィを取っているので、温度もわかる。「サーバはやっぱり熱い(山口氏)」。 |
とにかく各社の製品がさまざまな場面で「Interoperability(相互接続性)」を実現しているShowNet。「1社の製品だけでやればここまで面倒なことにはならないが、相互接続性を検証する場として意義のあるもの」と、普段の発表会ではお目にかかれないシステムが稼働している点は本イベントの見所と言える。
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コントロールセンターのモニター画面。流れているパケットをすべてキャプチャし、解析しているわけではないが、外部からの攻撃、内部でのマルウェアの進入があれば即座にアラートが立ち上がる。 |
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