- 2006/11/27 掲載
【国内NAS市場調査】2010年までの国内NAS市場の年平均成長率は、売上規模で14.7%増
●2005~2010年、国内NAS市場の年間成長率は売上で14.7%、出荷台数で19.8%
●NASを導入する業種や企業規模の裾野が拡大
●ディスクベースバックアップやアーカイブなど新規需要の開拓が重要
IDC Japanは、国内NAS市場の中期予測を発表した。それによると、2005~2010年の国内NAS市場の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、売上で14.7%、出荷台数で19.8%と予測している。IDCでは、国内外付型ディスクストレージシステム売上の2005年~2010年のCAGRを1.2%と予測しており、NASは国内外付型ディスクストレージシステム市場において、最も高い成長が見込まれる分野の一つとなっている。
2006年上半期(1月~6月)の国内NAS市場は、売上が前年同期比12.3%増の108億1,700万円、出荷台数が同13.6%増の7,324台、出荷容量が同28.3%増の13.2PB(ペタバイト)となった。NASが高成長を続けている要因は、NASを導入する業種や企業規模の裾野が広がっていることが挙げられる。また、バックアップデータやアーカイブデータをNASに格納するケースが増加していることも成長を下支えしている。
価格帯別では、エントリー(システム単価50万円未満)、ローエンド(同50万~250万円未満)、ミッドレンジ(同250万~1,000万円未満)の3つのクラスで売上が前年同期と比べ大幅に成長した。中小規模ユーザーを中心に、ファイル共有やバックアップを目的としてエントリー/ローエンドNASを導入するケースは継続的に増加している。また今期は、ミッドレンジNASが売上で前年同期比122.7%増、出荷台数で同104.8%増、出荷容量で232.5%増と非常に高い成長を見せまた。ミッドレンジNASでは、需要分野が従来からの主力業種である製造業から金融やサービスにも広がってきている。
また、データベース分野での採用やニアラインストレージとして導入され始めるなど、アプリケーションや利用用途が拡大していることも成長の要因となっている。ミッドレンジNASにおいて新規需要分野の開拓が進んでいることにより、従来のハイエンドNASの需要の一部がミッドレンジNASにシフトし始める傾向が見え始めている。
2010年の国内NAS市場は、売上で352億5,300万円、出荷台数で3万1,374台に達するとIDCでは予測している。国内企業において、NASで管理される非構造型データは今後も増加する見込みで、NASの成長を牽引すると考えられる。また、データ保護やセキュリティ強化の観点からファイルサーバー統合が重要なストレージ投資課題になっており、このような国内企業のストレージ投資の変化はNASのビジネス機会を広げると考えられる。さらに、バックアップ時間やリストア時間の短縮を目的としてディスクベースのバックアップへ投資のシフトが進んでいることや、今後は法規制対応という観点からアーカイブ需要が高まり、NASビジネスの新規の需要分野となることが期待される。
IDC Japan ストレージシステムズ リサーチアナリスト 高松 亜由智氏は次のように分析している
「参入サプライヤーが自社のNASビジネスを拡大するためには、新たなビジネス機会をもたらす需要分野のニーズを的確に捉え、そのニーズに対応した製品戦略を構築することがより重要となっている。」
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国内NAS市場売上予測、2005年~2010年 |
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