- 2006/11/20 掲載
【ストレージ市場調査】ストレージベンダーが成長するには、HW、SW、サービスの総合戦略が重要
<サマリー>
・2006年の市場規模は、前年比3.7%増の5,987億円と予測
・2005年~2010年の年間平均成長率は4.1%、ソフトウェアとサービスが牽引役に
・ハード、ソフト、サービスを合せた総合的な戦略構築が重要に
IDCでは、国内ストレージソリューション市場を、ストレージハードウェア、ストレージソフトウェア、ストレージサービスの合計で算出。2005年の国内ストレージソリューション市場は、5,772億7,200万円で前年比2.4%増、2年連続のプラス成長を達成した。また、2006年は、5,987億6,100万円で同3.7%増を見込んでいる。
国内ストレージソリューション市場をセグメントごとに見ていくと、ストレージハードウェアは、2002年以降マイナス成長を続け、2005年も前年比1.7%減となった。2006年も前年比でほぼ横ばいとなる見込み。
ストレージハードウェア市場で減少傾向が続いてきたのは、ハードウェア製品のGB(ギガバイト)単価やシステム単価の低下が進んでいるため。たとえば、ストレージハードウェアの中で最も高いシェアを占める外付型ディスクストレージシステムの平均GB単価は毎年30%以上で低下している。企業が導入するディスクストレージシステムの容量は毎年大幅に増加しているが、GB単価の低下が金額ベースでの市場規模の成長を抑制している。
一方、ストレージソフトウェアとストレージサービスは堅調に成長。2005年のストレージソフトウェアは前年比13.7%増、ストレージサービスは同7.6%増を記録した。また、2006年についても、それぞれ13.0%増、6.9%増の成長が見込まれる。
2002年、2003年と2年連続マイナス成長を記録した国内ストレージソリューション市場が、2004年以降に再び成長軌道に乗ったのは、ストレージソフトウェアとストレージサービスが堅調な成長を続けているため。これは、国内企業でも、データ保護やストレージ管理の効率化などに対する要求が高まり、ハードウェアからソフトウェアやサービスへの投資シフトが進んでいるためである。国内ストレージソリューション市場に占める、ストレージソフトウェアとストレージサービスを合せた比率は年々高まっており、2005年にはその比率は40.9%に達し、2006年には42.7%に上昇する見込みである。
IDC Japanでは、国内ストレージソリューション市場の2005年から2010年のCAGRを4.1%と予測しているが、セグメント別のCAGRは、ストレージハードウェアが1.0%、ストレージソフトウェアが11.5%、ストレージサービスが6.6%と予測している。ストレージ管理の効率化、データ保護の強化、法規制への対応などに対する国内企業の要求の高まりとともに、ストレージ投資のハードウェアから、ソフトウェアやサービスへのシフトはさらに進むと考えられる。IDC Japanでは2010年の国内ストレージソリューション市場において、ハードウェアとソフトウェア/サービスの比率はほぼ半々になると予測している。
IDC Japan ストレージ/サーバーグループディレクター 森山正秋は次のように述べている。
「ストレージソリューション市場においては、より効率的でリスクを軽減したストレージ基盤を実現するためにも、その投資がソフトウェア、サービスへシフトしていくと予測される。このため、ハードウェア中心の従来型のビジネスでは収益を確保することもユーザーの需要に対応することも難しくなっている。国内ストレージソリューション市場でビジネス機会を拡大するためには、ストレージベンダーは自社の強みや特徴に合せてハードウェア、ソフトウェア、サービスの総合的な戦略を構築することがこれまで以上に重要になっている」。
![]() |
国内ストレージソリューション市場のセグメント別予測、2004年~2010年 |
関連コンテンツ
PR
PR
PR