- 2006/11/01 掲載
日本IBM、SOAで業種特化型ソリューションを提供。中国とインドにSOAセンター新設
SOAは、事業体におけるビジネスの機能、業務プロセス、および組織を有機的に連携させ、ビジネスの変化に柔軟かつ迅速に対応できるITシステムを構築するフレームワーク。昨今注目を集めている。しかし今までは、サービス・コンポーネントを新規に作成、あるいは、既存のアプリケーションをサービス化する必要があり導入に至らぬ企業が多かった。
日本IBMでは、本格的なSOA展開に向けて、各業種ごとの標準的な業務に必要となるサービス・コンポーネント「ビジネス・サービス」を提供し、利用することで、迅速かつ効率的そして相対的に少ない投資でITシステムの構築を可能にする。
今回の発表は、業種特化型ソリューションとそれを構築・実行するためのソフトウェア製品、および、SOAソリューション・センター新設、「ビジネス・サービス」情報ポータルの拡充である。
まずソフトウェア製品としては、ビジネスに近い次元で組み合わせて複合アプリケーション・システムを構築・実行したり、再利用したりするためのプラットフォーム「WebSphere Business Services Fabric」を提供する。
この製品は今年8月に買収したWebify社が持つノウハウを基に、各業種ごとの標準的な業務プロセスを効率的にITで実装するためのテンプレートや手法をパッケージ化したもの。これにより、業務プロセスに沿ってビジネス・サービスを組み合わせ、処理の効率化や自動化、見える化を図ることができる。また、この製品は、既存のIBMのSOA対応製品とも連携し、より強固で広範なSOA環境の構築を可能にする。12月1日からダウンロードによる出荷を開始する。この製品を基とする業種特化型ソリューションとして、医療向けと損害保険業向けの2種を提供する。
次に、IBMは、中国とインドにSOAソリューションセンターを新設する。
IBMは、これまで蓄積してきた業種に特化したソリューションのノウハウや顧客サポートで得た経験を活用し、上記のSOAに対応した業種特化型ソリューションを開発・管理・提供するため、中国北京とインドプネーに500名規模のSOAソリューション・センターを新設する。北京では主に銀行業を対象としたソリューションを、プネーでは主に保険業と医療業界を対象としたソリューションを開発していく。日本の顧客向けのSOAに対応したアプリケーション・システムの構築に際しても、世界最先端のスキルと豊富な経験に基づき、中国やインドのセンターで開発されるビジネス・サービスを活用していく。
そして「ビジネス・サービス」を共有するための情報ポータルの拡充は、SOA環境を効率的に構築するため、ビジネス・サービスやテンプレートの再利用や共用を目的とする。すでに保険業など業界特化の数百ものビジネス・サービスが登録されており、IBMだけでなく、ビジネス・パートナーが開発したコンポーネントも一元的に検索できる。
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