- 2006/10/30 掲載
【最新Webサービス】時代はPR1.0からPR2.0へ 進化する企業コミュニケーション
【JANES Wayエピソード2特集】ニューズ・ツー・ユー 代表取締役社長 神原弥奈子氏
従来の企業PRは、プレスリリースなどのマスメディアに向けた情報提供をその主目的としていた。しかし、インターネットによって情報の流通そのものが大きく変化した今、従来型のPRだけで効果を上げることは難しい。ニューズ・ツー・ユーでは、ネット時代のPRとして「PR2.0」を提唱している。
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ニューズ・ツー・ユー 代表取締役社長 神原弥奈子氏 |
PR2.0では、マスメディアとのコミュニケーションを主体とした従来型のPR、すなわちPR1.0とはまったく異なる発想や手法が求められる。企業はその違いを理解し、PR1.0と2.0の両方を組み合わせたコミュニケーション活動を戦略的に実践していくことが必要だ。PR2.0には5つのルールがある。
まず1つ目は「企業Webサイトは自社メディア」。インターネット登場以前、企業の情報発信手段はマスメディアの活用に限られていた。それが今では、自社のWebサイトを通じて企業が自らインターネット上で情報発信することが可能となった。同時に、PRのターゲットがマスメディアだけでなく、消費者や取引先なども含めたあらゆるステークホルダーへと広がった。この自社メディアであるWebサイトをいかに有効活用できるかが、PR2.0では非常に重要なポイントとなる。
2つ目のルールは「企業ニュースのロングテール化」。PR1.0では、企業のリリースは素材としての「プレスリリース」であり、マスメディアがそれを記事として編集した上で世の中に発信していた。企業が自社サイトなどを活用して情報発信するPR2.0では、リリースは素材ではなく、そのままステークホルダーに届く「ニュースリリース」となる。企業のニュースには、マスメディアに掲載されるような話題性が高いものがある一方で、ごく一部のステークホルダーにとって有益なものも非常に多い。このロングテール部分をカバーできるように、ニュースリリースで自社のニュースを継続的に発信していくことが重要とな る。
3つ目のルールは「リリースとSEOの高い親和性」だ。ニュースリリースは、基本的にテキストベースであり、訴求したいテーマが1つに絞られている。さらにニュースリリースが元来持つ特性として、企業がもっとも伝えたい「キーワード」で構成されている。これらは、SEO(検索エンジン最適化)において非常に有効といえる。また、ニュースリリースがNews2u.netや他のポータルサイトに掲載されることによって、自社サイトへのリンクが発生する。なお、SEO的観点からも、自社サイトのニュースリリースはパーマリンクとしておくのが望ましい。
4つ目のルールは「アーカイブ性の高いオンラインメディア」。情報伝達のスピードや範囲の広さとともにオンラインメディアの特徴として挙げられるのが、このアーカイブ性の高さである。新聞や雑誌などのマスメディアでは難しい情報の半永久的な公開が、オンラインメディアでは可能となる。あるタイミング、あるきっかけで、過去のニュースが注目されたような場合なども、オンラインメディアなら、読者は簡単にそのニュースを見つけることができる。
5つ目のルールは「すべての人がスポークスパーソン」。PR1.0では、企業が情報伝達する対象はマスメディアであり、企業内の情報発信者も広報担当者などに限られていた。PR2.0においては、あらゆる個人が情報発信者となり得る。企業が自社メディアとしてWebサイトを持つのと同様に、たとえばブログをマイメディアとして活用している社員も珍しくないだろう。あるいは、自社の商品やサービスについて消費者がネット上で発言する場合もある。情報発信者を限定してメディアトレーニングを実施し、情報を管理するといったようなPR1.0的発想は、もはや通用しない状況だ。PR2.0では、企業が正しい情報をタイムリーに伝え、できるだけ情報をオープンにすることが求められる。
こうしたPR2.0の実践を支援するためのCompany Generated Media(CGM)として、News2u.netを提供している。現在は約700社が利用しており、非常にPR2.0的なニュースリリースの活用例も見られるようになった。
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