- 2006/11/02 掲載
【最新Webテクノロジー】 Googleなどの寡占が続く検索の世界に、独自開発の「見える検索エンジン」で挑む
【JANES Wayエピソード2特集】 マーズフラッグ 代表取締役社長 武井信也氏
![]() |
マーズフラッグ 代表取締役社長 武井信也氏 |
MARS FLAGの検索ポータルのノウハウを活かし、8月には企業向けのサイト内検索システムである「MARS FINDER」のASPサービスも開始した。検索ポータルと同様にこの分野でも先行するGoogleをはじめ、国内外のベンダーがさまざまな企業向け検索ソリューションを提供している中で、MARS FINDERは発売以来、非常に大きな反響をいただいている。
MARS FINDERでは、基本機能である検索結果への画像表示でユーザビリティが向上できるのはもちろん、Webサイトの費用対効果を高める上で有効なさまざまな機能を提供している。たとえば、商品ページから検索している人に対しては商品情報を優先、同様にリリースページからの検索に対してはリリース情報を優先して検索結果の上位に表示させるといったように、検索結果の優先順位を変更できる機能がある。これによって、ユーザーの求めている情報を、より早く確実に提供することが可能となる。また、「ずばケン」という機能では、あらかじめキーワードごとに管理者が指定したページを通常の検索結果より上部に表示させることができる。通常の検索結果ではなかなかヒットしづらいページや、積極的に前面に出したいページなどをユーザーにアピールするのに有効だ。
なお、「JANES-Way episode 2」のセッションでは、実際にMARS FINDERを自社のWebサイトに導入されている企業の活用事例も合わせてご紹介する。
MARS FINDERによって実証できたが、もともと検索エンジンMARS FLAGの開発段階から、企業IT分野の細かいニーズにも十分対応できるような検索のコアテクノロジーが必要と考えていた。今、検索エンジンの世界で圧倒的強者であるGoogleは、数千億~数兆円という単位でプロジェクトに予算を投じる事が可能なマンモス企業だ。そういう相手に検索エンジンで対抗していくには、我々「日本人ならではの良さ」を徹底的に活かすしかない。技術を使って高い品質を保ったまま、省電力、省スペース、省コスト化を実践。国土が狭くエネルギー資源もない環境の中で培われた、日本人だからこそできるものづくりの工夫。MARS FLAGの開発および基礎研究では、そこに徹底的にこだわった。
そのために必要なものは、我々は自分たちで作り出してきた。たとえば、サーバ間の通信には自社独自開発のプロトコルを使用する事がある。ルーターや基幹のネットワーク機器も自社で開発している。そして、非常にコンパクトな検索コア、多彩な動作モードを持つクローラ、超並列分散処理を可能にする高度なクラスタの仕組みなどをゼロから開発し、MARS FLAGとして具現化させた。こうした我々の技術は、Googleにも伍していけるものと自負しており、今後、世界に向けた技術の発信地となるためにも、よりよい検索の実現を本気で考えているパートナー様方に広くお会いしたい。
検索エンジンは今後ますます、さまざまなサービスのプラットフォームとして、また、現在のリレーショナルデータベースが担っているようなインフラとしての役割を果たすようになっていくだろう。今日、検索の分野はGoogleをはじめとした米国企業が圧倒的にリードしており、MARS FLAG以外に総合的な国産の検索エンジンが存在しない状況になってしまっている。今後の日本の検索エンジンの可能性を広げるためにも、我々はこの分野で確かな結果を出さなければならない。その重責を果たすべく、次世代の検索エンジンのあり方を追及し、MARS FLAGおよびMARS FINDERをさらに進化させていきたい。
関連コンテンツ
PR
PR
PR