- 2006/11/06 掲載
【最新Webサービス】新たなサービスが生まれる「場」へ 進化するITアウトソーシングサービス
【JANES Wayエピソード2特集】ビットアイル 代表取締役社長 寺田航平氏
Web2.0時代を迎え、多種多様なインターネットサービスを支えるインフラとして、ますます需要が拡大しているデータセンター。独立系iDCのビットアイルでは、従来のアウトソーシングの枠を超え、ビジネスマッチングやインキュベーションによって新たなサービスを生む「場」の提供を目指す。
ビットアイル 代表取締役社長 寺田航平氏 |
第一の柱はインフラ提供サービス。これはビットアイルの根幹ともいうべき事業である。24時間365日の安定したサービス運用を支えるための電源設備や空調設備の環境、そして大容量インターネットのバックボーンなどを備えたインターネットデータセンター(iDC)で、顧客のサーバや通信機器をお預かりする。
第二の柱は「マネージドサービス」といわれる運用支援。顧客のサーバを24時間運用・監視し、定期的な保守や障害対応を行う。インフラも同様だが、24時間運用が必要なサービスを自社で提供しようとすると、コスト的にもリソース的にも大変な負荷がかかる。そこをビットアイルが提供するシェア型のサービスを利用することによって、顧客はコストダウンを図りながらクオリティの高い自社サービスを提供することが可能となる。
第三の柱はソリューションサービス。代表的なものとしてはASPサービスがある。たとえば、顧客がEC事業を始める際に、ビットアイルがECのエンジン部分、ショッピングカートや決済サービスなどをすべて組み合わせてワンストップで提供する。顧客はアプリケーションも含めて月額で利用でき、自社ではコンテンツだけアップすればECサービスを提供できる。また、最近ではモバイルコンテンツ事業者の顧客向けに、CHTMLの1ソースでコンテンツを用意すれば自動的にマルチキャリア対応に変換するというサービスも提供している。
これらすべてにおいて根幹にあるのは、サービスを「月額」で提供することである。ビットアイルの顧客であるITサービス事業者にとって大きな負担となる初期投資を極力軽減してコストコントロールしやすい状況にするために、開発コスト以外の部分をすべて変動費化できるようなアウトソーシングサービスを提供することが、ビットアイルの使命である。
こうしたアウトソーシングサービスのラインナップ拡充を図っていく一方で、ビットアイルでは従来のITアウトソーシングの枠を超えた新たな取り組みも開始している。
考えてみればデータセンターというのは非常に面白い環境で、同じLAN回線上に数百社、エンドユーザーまで含めると数千社がつながっていることになる。そこでビットアイルは、そういった会社同士、ITサービス事業者同士がビットアイルの回線上でサービスを交換し合えるような環境を提供するために、ビジネスマッチングのサイトを開発している。これは年内にオープンさせる予定だ。それぞれ異なる分野の顧客同士が協業することによって、そこから新たなビジネスやサービスが生み出されるだろう。また、すでにAPIの公開やマッシュアップによるサービスを展開しているWeb2.0系のサービス事業者なども、ビットアイルのインフラ上でそれを行えば、より高速で快適なサービスが提供できるようになる。
こうしたビジネスマッチングのサービスは、起業家やスタートアップ企業の成長を支援する狙いもある。このインキュベーションというのもビットアイルの大きなテーマであり、来年よりさまざまなプログラムを展開していく予定だ。やはりスタートアップ企業にとって、新たにサービスを立ち上げて事業を軌道に乗せるまでのコスト面での負荷は非常に大きい。ある程度ユーザーを獲得して初期投資が回収できるようになるまでの期間、毎月運用コストを払いながら持ちこたえていかなければならない。そこで、ハードウェアなども含めた初期のコストリスクを我々が負担するような形での、レベニューシェア型のプログラムの展開も考えている。
さまざまなITサービスのインフラとしての機能を持つデータセンターは、そこに集まる企業同士をつなぎ、企業の成長を支援する「場」へと進化できるはずだ。ビットアイルでは今後、新たなビジネス、新たなサービスを生むクリエーションの「場」を提供することを目指し、従来のインフラ提供だけに留まらない総合ITアウトソーシングの可能性を追求していく。
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