- 2006/10/26 掲載
【国内製品別IT市場動向】日米のIT投資の格差が広がる
・2006年の国内IT投資額を下方修正。市場規模は前年比1.7%増の11兆8,218億円
・日米におけるIT投資姿勢の格差が顕著に
IDC Japanは、国内製品別IT市場規模予測を発表した。これによると、2006年第2四半期(4月~6月)の調査時点で、2006年の国内IT市場規模は、前年比1.7%増の11兆8,218億円と予測している。この結果は、2006年第1四半期の時点での予測に対し、961億円の下方修正となった。
要因としては、ハードウェア市場の縮小、特に同市場で大きな割合を占めるプリンターとMFPの市場において平均単価の下落が著しいことが挙げられる。ハードウェア市場全体として、販売数量は拡大するものの、低価格製品への需要シフトと製品価格低下というトレンドが継続するという。
パッケージソフトウェア市場では、データ保護と可用性強化、コスト削減、日本版SOX法などコンプライアンス対応を背景に、システムインフラストラクチャ市場の伸びが高くなっている。ITサービス市場では、これまで同市場を牽引してきたITアウトソーシングの成長鈍化が顕在化してきた。また、景気拡大に伴って、新規システム構築などITサービスの需要は増えるが、案件規模の小型化が主な要因となり、同市場は緩やかな成長になるとみている。
一方、国際競争という視点で見ると日本のIT投資額は米国のIT投資の4分の1にすぎない。2006年の日本のIT投資は前年比1.7%と予測しているが、米国は同6.6%増とIT投資により積極的である。
IDC Japan ITスペンディング グループマネージャー 和田 英穂は次のように分析している。
「日本の多くの企業はITをコストとして捉えているが、米国企業の多くはITを企業価値向上のための投資と捉えている。グローバルな競争環境の中で、競争力強化に向けたIT戦略の再構築が重要になる」。
IDC Japanでは、2005年~2010年までの年間平均成長率(Compound Annual Growth Rate: CAGR)1.9%で拡大し、2010年には12兆7,844億円に達するとみている。
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国内製品別IT市場規模の推移、2004年~2010年
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