- 2006/10/12 掲載
IT投資は既存支出削減と戦略投資へ、エンジニア不足が市場規模を抑制--IDC Japan
IDC Japanは12日、国内ITサービス市場規模について調査内容を発表した。
これによると2005年の国内ITサービス市場規模は前年比3.3%増の4兆7,048億円。同市場は、2005年から2010年の年間平均成長率(CAGR)が3.4%で、2010年には5兆5,526億円に達する見込みだという。
![]() Source:IDC Japan,10/2006 |
国内ITサービス市場規模予測 2005年~2010年
|
2000年から2003年まで成長が鈍化してきたITサービス市場が増加した要因について、2003年後半より国内経済の回復にともなって、IT投資も回復に向かったと分析。システム刷新、新規構築案件の増加が貢献した。ただし、導入企業の多くが費用対効果を重要視しており、案件の小型化が進んでいるという。
そのほか、ITエンジニアの不足も指摘。不況時に、ITエンジニアの採用などを抑制してきた企業において要員不足が顕在化してきた。大手サービスベンダーを中心にアウトソーシングの活用が拡大しているものの、人員の供給が需要に間に合わず、供給不足が市場の拡大を抑制すると分析している。
ITアウトソーシング市場は、企業のコスト削減を目的として高い成長を維持してきたが、IT製品の低価格化、企業収益の回復により、緩やかに成長率を下げながら推移するとIDCでは予測している。
IDC Japan ITサービス担当シニアマーケットアナリスト 松本聡氏は、「支出削減を最優先とした絶対抑制から、投資対効果を意識しながらも事業の強化・拡大に繋がる戦略投資を行う『既存支出削減と戦略投資』へと変化している」と述べ、「単なるIT課題への対応から顧客の経営視点に立った製品・サービスの提供が重要である」とした。
関連コンテンツ
PR
PR
PR