- 2005/09/12 掲載
アライドテレシス、伊那市で有線放送網を利用したトリプルプレイ・サービスのトライアルを実施
ADSL網を使った高画質映像配信やIP告知放送を実現
今回の検証は、今年7月から実際の加入者も参加したかたちで行われており(10世帯)、有線放送事業者の網を使ったトリプルプレイ・サービスは国内初となる。
伊那市有線放送農業協同組合は、1997年に日本で初めてADSL実験を行ったことで知られる加入者数約8000世帯の大手有線放送事業者で、自営の電話回線網を使用し、宅側のスプリッターで電話と分岐されたスピーカーに対して地域情報を放送している。
もともとノイズを拾いやすいアナログ回線に加え、システム全体の老朽化が進んでいたことから、今年の4月からIPベースのシステムへのリプレースが検討され、今回の実証実験が開始された。
システムを構成する機器は、アクセス機器やイーサネットスイッチにアライドテレシス製品(Telesyn7000シリーズやレイヤー3スイッチ)、ADSLモデムにコレガ社のCG200A、VODシステムはアライドテレシス社製のIPセットトップボックス(CA100TX)とOn2 Technologies社製VODサーバーを使用し、アライドテレシスの協力会社であるメディアクルーズソリューション社の協力によりコンテンツ管理を容易にしている。
なお、VODサービスでは、伊那市市役所で保有している地域情報のコンテンツ数十本を提供しています。また、音声系サービス(VoIP)には、アライドテレシスの協力会社であるスカイウェイブ社製SIPサーバーSkyIP-PBX、および、告知放送システムとしてSkyIPCast(IP告知放送マルチキャストサーバー/IP告知放送端末)を、加入者宅側端末にアライドテレシス社製の告知放送対応レジデンシャル・ゲートウェイ(RG601TX-SP)を使用している。
Telesyn7000シリーズを使ったADSLの下り速度は、ビデオ配信にも十分な帯域が確保され(局舎から3kmで8~9Mbps)、VOD、VoIP及びインターネットアクセスの各種サービスが1対の電話回線(メタリックケーブル)で安定的に提供できることが確認されている。
伊那市有線放送農業協同組合の酒井事務局長は、「有線放送システムは老朽化が進んでおり、新たなシステム、サービスを検討しているところである。今回の検証は、IPでの有線放送事業の可能性を進めるもので、かつ将来の付加価値サービスとしてのVODサービスは魅力的であり、今後の地域活性化に繋がる。」と述べている。
アライドテレシスグループでは2003年、世界で初めて銅線(電話線;ADSL)によるトリプルプレイ・サービスを、米国ウィスコンシン州の通信キャリアであるVernon Communications社で実現して以来、欧米を中心にIPトリプルプレイの一括提供を積極的に推し進めており、数多くの導入実績を誇っています。今回の実証実験を、地域プロバイダーや自治体向けのモデルケースとして成功させ、日本国内におけるトリプルプレイ・サービス市場を開拓していく。
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