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  • 2020/02/26 掲載

DX推進を阻む現行システムの壁、その乗り越え方とは?

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「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」が本格化する中、新たな課題が浮上している。現行システムの“ある特性”がDXの実現を阻むというのだ。また、IT部門の組織文化によっては、DXがスムーズには進展しないという。日本アイ・ビー・エム(以下、IBM) グローバル・ビジネス・サービス事業本部 CTO 兼 IBMサービス クラウドセンター長の二上 哲也氏が、DX実現を阻む壁とその乗り越え方を解説する。

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日本アイ・ビー・エム
グローバル・ビジネス・サービス事業本部
CTO 兼 IBMサービス クラウドセンター長
二上哲也氏

クラウドはオープンでない? DXの実現を阻む現行システムの課題

 IoT(Internet of Things)やビッグデータ、人工知能(AI)などの革新的なデジタル技術が既存の産業構造を大きく変える中、今後の競争を勝ち抜くためのDXを目指す動きが産業界で本格化している。

 IBM グローバル・ビジネス・サービス事業本部 CTO 兼 IBMサービス クラウドセンター長の二上 哲也氏は「企業のDX変革は『受け身』から『攻め』への転換が進みつつあります」と説明する。DX推進施策がPoC(概念実証)から本格展開へと移行したり、ミッション・クリティカル・システムのDX化、IT基盤として採用が進んだクラウドの高度化に向けたハイブリッド/マルチクラウド化などからも、そうした状況が見て取れるという。

 ただし、そこで新たな難題も持ち上がっていると二上氏は指摘する。「現状のクラウドではシステムに可搬性に欠ける」のだ。

 いわゆる「リフト」や「シフト」によるクラウド化は、最新のオープン技術をシステムに取り込み、開発生産性や柔軟性を格段に高められる点でDXに非常に効果的だ。

「しかし今のクラウドでは、その上に構築したシステムを他クラウドへ移行させることが難しいケースも多いです。近い将来、より優れたクラウドへの移行が阻まれるリスクも高まるでしょう。その結果、DXによる革新ばかりか、基幹系システムなどでは、それが事業永続性の足かせになる事態も現実味を帯びています」(二上氏)

この記事の続き >>
・「DevOps」を実現するために必要なもの
・速度で劣る企業はDXで不利

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