“新章突入”したデジタル変革を加速する、次世代インフラの作り方
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「マルチクラウド」「ハイブリッドクラウド」が現実解に
デジタル技術を活用し、新たなビジネスモデルを生み出すDXに取り組む企業が増えている。DXについて、「実証検証のフェーズから本格展開のフェーズに入ってきた」と述べるのは、日本アイ・ビー・エム(IBM) グローバル・ビジネス・サービス事業本部 CTO 兼 クラウド・アプリケーション・サービス事業部 部長の二上 哲也氏だ。これまでのように、実証検証/PoCベースで行われていたDXの取り組みは、徐々にミッション・クリティカルなビジネス領域を対象に行われるようになってきた。
DXを支えるインフラも、導入も撤退も容易なパブリッククラウドを中心とした単一のクラウド基盤上から、基幹システムの移行、データ連携などで今後はハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境を想定する必要がある。
「AI、IoT、モバイル、ブロックチェーンといった“新しい領域のテクノロジー”を始めとするパブリッククラウド基盤のシステムと、オンプレミス上の基幹業務システムとをAPIで連携し、データをやり取りすることも考えていく必要があります。あるいは、基幹システムやデータセンターをクラウド環境へ移行することも検討すべきフェーズです」(二上氏)
すなわち、複数のパブリッククラウドを利用する「マルチクラウド」、オンプレミスとパブリッククラウドを併用する「ハイブリッドクラウド」が、これからのDXを推進するインフラとして現実解となってくる。
世界113社のアンケートに見る「クラウドへの懸念」
実際、企業のクラウド活用の現状について、IBMが世界113社の企業に対して行ったアンケート(注1)によれば、「複数のクラウド環境を使用している」(94%)、「複数のパブリッククラウドを使用している」(67%)など、高い割合を示している。「その理由として、迅速で柔軟なリソース確保が可能な点や、データの機密性やコストに合わせた柔軟で最適な配置が可能な点、クラウドベンダーによって異なる得意分野(AI、ネットワーク、APIなど)を使い分けることができる点などが挙げられます」(二上氏)
一方で、自社のインフラをクラウドに移行している割合は20%にすぎない。この背景にはクラウドに対する懸念がある。「クラウド間の移行や管理・運用の一貫性に懸念を示す割合は、それぞれ73%、67%と高い(注1)」と二上氏は指摘する。
こうした懸念を払拭するためにはどうすればよいのか。課題解決の鍵を握るものは何か。二上氏は続けて解説する。
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