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全日本空輸(ANA)グループでは全社的なデータ活用を進めるべく、共通データ基盤「BlueLake」の構築を推進している。目指すところは、“Single Source of Truth(SSoT:信頼できる唯一の情報源)”の実現だ。一方、データのサイロ化といった既存の課題に加え、構築過程においてもシステム担当者の負担増や個人情報保護の問題といった新たな課題も山積。そこで今回、同社 デジタル変革部 イノベーション推進部 データマネジメントチームの井岡 大氏と松浦 洋太郎氏にデータ活用の環境整備についてリアルな状況を語ってもらった。

「地道にコツコツ」データマネジメント内製化

 井岡氏と松浦氏が所属するデータマネジメントチームは、主にANAを中心としたデータ戦略の策定やそれに沿ったデータ活用基盤の環境整備を担当。実際の開発や運用は、グループ会社であるANAシステムズが担っており、グループ全体の連携が重要となっている。

 現在、ANAグループでは“青い飛行機”のANAだけでなく、LCC(格安航空会社)のピーチや2024年に新たに就航した「エアージャパン」ブランドなど、多角的な航空事業を展開。また、顧客が日常生活でもANAグループと接点を持ち、マイルを活用して生活できる新たなANA経済圏の構築を目指すなど、さまざまな事業にチャレンジしている。

 これらの成果は業績にも表れており、2024年3月期では過去最高の営業利益を記録した。こうした事業拡大に伴い、データの量や種類も増加しているため、データ活用の重要性が一層高まっている。そこで2021年から、ANAグループ全体でデータマネジメントを内製化し、さまざまな取り組みを地道にコツコツと進めてきたのだった。

 「データ活用には非常にやりがいを感じますが、一方で悩みも多いのが現状です」と、井岡氏が述べるように、データのサイロ化や個人情報保護など多様な課題に突き当たった。ここからは、同社におけるデータマネジメントの取り組みを進める過程で直面した課題や、その解決策について紹介していく。

この記事の続き >>

  • ・ANAが決断した「データの民主化」、実現に「必須の3要素」
    ・SSoT実現でぶち当たった「3つの壁」と解決策
    ・次は生成AI活用も?「DWH大刷新」でコスト・作業量を最適化

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