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ワークエンゲージメントが注目されるようになった要因とは?
「日本人の承認欲求」(新潮新書)、「同調圧力の正体」(PHP研究所)、「個人尊重の組織論」(中公新書)などを著者であり、組織論の専門家である同志社大学政策学部教授の太田肇氏は、ワークエンゲージメントについて次のように説明する。
「ワークエンゲージメントとは、2000年頃に組織心理学の学者であるウィルマーB・シャウフェリ氏が使うようになった言葉で、『献身』『没頭』『熱意』という3つの要素から成り立つ概念です。つまり、仕事や職場に対する積極的な関わり方を意味しています」(太田氏)
ワークエンゲージメントが日本で重視されるようになってきたのは、日本の労働生産性や国際競争力の伸びない状況が続いているからだという。実際に、OECD加盟国における労働生産性(国民1人あたりGDP)の順位を見ると、1994年に日本は10位という水準にあったが、90年代半ば頃から日本の順位は急落し、その後長期低迷し2020年は23位まで低下している。
生産性低下が数字としてはっきり表れている日本において、働く人は幸福だろうか。多くは「NO」と答えるかもしれない。そうであるならば、今こそ働く人のワークエンゲージメントを高める取り組みを進めなければ、日本の未来は暗いものになるかもしれない。ここからは、具体的に企業が何をすれば良いのかを解説する。
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