- 2022/02/24 掲載
東急建設、「トンネル点検システム(iTOREL:アイトーレル)」の現場試行を実施
この現場試行は、関東地方整備局が実施している「現場ニーズと技術シーズのマッチング」を利用したもので、2021年10月に千葉県内の一般国道127号勝岩トンネルにおいて、「iTOREL」の作業効率や点検精度に関する導入効果を確認しました。
※SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とは、内閣府に設置された「内閣府総合科学技術・イノベーション会議」が司令塔機能を発揮して、府省・分野の枠を超えた科学技術イノベーションを実現するために創設した国家プロジェクト。各課題をリードするプログラムディレクター(PD)を中心に基礎研究から実用化・事業化まで一気通貫での研究開発を推進するものです。
「iTOREL」は、これまで人が行っていたトンネル点検に代わり、覆工コンクリートのひび割れと浮きを自動検出するひび割れ検出ユニット、打音検査ユニットによって、定量的かつ経時的な変化も把握可能な点検データが取得できるだけでなく、点検から帳票作成までの作業効率を向上させることを目的として開発したものです。
これまで実証を行ってきた、道路を跨ぐフレームによって自動車などの通行を妨げずに点検できる「ガントリ型点検システム」に加え、2021年4月にはガントリ型の8倍以上のスピードで点検可能な「高所作業車型点検システム」を開発しています。(写真(1)参照)
今回の現場試行は、この「高所作業車型点検システム」を用いて検証を行いました。(写真(2)参照)検証では、点検システムを用いない従来の方法に比べて、点検作業に必要な人数が最大4割削減可能であることや、帳票作成などの内業時間が18.5%削減可能であることが確認されました。
今後さらに導入コストの削減など運用面の強化を図るため、トンネル点検を実施する企業と連携しながら「iTOREL」の実用化を進め、点検業務の効率化・高度化を目指します。
高度成長期に建設された道路インフラの老朽化が進むことで2033年には全国約1万本の道路トンネルの約50%が建設から50年以上経過すると試算されており、重大事故の発生や維持修繕費の増大、点検技術者の不足などが懸念されています。
当社は、お客様への提供価値の1つとして掲げる「防災・減災」の取り組みの一環として、トンネル点検システム「iTOREL」の社会実装に努める所存です。
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