- 2022/02/24 掲載
富士通、低消費電力と高性能を両立した5G仮想化基地局を提供開始
当仮想化基地局は、高い通信性能や高キャパシティ、最適な演算リソースの配分を実現する当社独自技術により、従来の仮想化基地局の課題であった低消費電力化と高性能化の両立を実現しました。これにより、高品質かつ安定した通信を提供しながら、従来の基地局と比較してシステム全体のCO2排出量を50%以上削減することが可能となります。
当社は今後、当仮想化基地局をグローバルに展開する予定で、通信事業者の脱炭素化を支援し、持続可能な社会の実現に貢献します。
当仮想化基地局は2022年2月28日(月曜日)から3月3日(木曜日)までスペインで開催される「MWC Barcelona 2022」に出展します。
なお、本製品の技術には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(c1)仮想化基地局制御部の高性能化技術の開発」の成果の一部を活用しています。
■背景
近年、汎用CPUの性能向上や、通信における無線信号の処理や制御技術(テレコム機能)のソフトウェア化などの技術の進化を背景に、汎用サーバーで構成され、要件ごとの専用ハードウェアの開発が不要な仮想化基地局の導入に注目が集まっています。また、O-RAN(注1)などに代表される無線基地局仕様のオープン化の潮流とともに、柔軟な機器調達と基地局構築コストの削減を通して、携帯電話の利用者のニーズやユースケースに応じた自由度の高い通信サービスの提供が期待されています。
しかし、専用機器で構成されないこれまでの仮想化基地局は、従来型の無線基地局と比較して、性能効率が低下する傾向があり、同等の性能を維持するにはより多くのハードウェア機器を組み込む必要があるため、結果的に消費電力などの環境負荷が高まってしまう課題があります。また、安定性や冗長性においても、従来の仮想化基地局ではキャリアグレードの通信品質を十分に担保できない場合がありました。
注1 O-RAN:相互運用可能でオープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)の仕様策定を推進する標準化団体「O-RAN ALLIANCE」の仕様のことで、Open RANソリューションは、本仕様に準拠。また、富士通は、「O-RAN ALLIANCE」に加盟。
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