- 2022/01/12 掲載
大成建設、三菱電機とマイクロ波を用いたワイヤレス給電システムを開発
昨今、スマートシティなどの実現に向けて、建物内に各種センサやモバイル機器などの設備を設置する動きが加速しています。これらの設備は建物内の温度・湿度などの環境情報や建物利用者の人流計測のほか、空調・照明機器や警備・サービス等に携わる自動ロボットなどの制御に用いられており、スマートシティやZEBには不可欠な設備です。さらに、これらの施設は、センサやモバイル機器を大量に設置する必要があるため、電源・通信設備の配線や、設備スペースの確保、バッテリー充電や交換などの作業が必要で、それらのメンテンナンスにかかる作業やコストが課題とされていました。
そこで、大成建設は三菱電機と共同で、建物内で稼働する自動ロボットからマイクロ波を発して、最大25Wの電力を送信し、センサやモバイル機器などにワイヤレスで給電することが可能となるシステム「T-iPower Beam」を開発しました。自動ロボットに設置した小型送電装置からマイクロ波を用いて、ワイヤレスで建材一体型受電装置に給電され、そこからセンサ等へ電力を供給します。これにより、センサ等のワイヤレス、バッテリーレス化が可能となります。
本システムを導入することにより、配線等のメンテナンスにかかる作業やコストの課題解決につながるセンサ等のワイヤレス化、バッテリーレス化が加速することで、スマートシティ等の実現に寄与します。
本システムの特長および実証実験概要は以下の通りです。
【特徴】
(1) マイクロ波の拡散を低減し給電
マイクロ波による給電の課題は、送電時にマイクロ波が拡散してしまうことで、効率よく受電できないことにありました。そこで、指向性の高いビームを形成できる5.7GHz帯を使用し(※1)、ビームを制御することが可能となるマイクロ波ワイヤレス送電装置を用いて、受電装置以外の場所への電波拡散を低減し、建物内外への影響を抑制して給電します。
(2) 電波拡散を抑制する建材一体型受電装置により電波の漏洩を防止
マイクロ波ワイヤレス送電装置から発せられる電波の拡散を抑制する建材とマイクロ波ワイヤレス受電装置、バッテリーを一体化した建築内装材を用いて、電波の漏洩を防止し、建物内外への影響を抑制します。
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