• 2021/12/03 掲載

金融緩和、早期に縮小させないことが適当=OECD対日報告

ロイター

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[東京 3日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)が3日公表した対日経済審査報告書は、日本の財政・金融・エネルギー政策の現状と課題をまとめ、日銀の金融緩和について早期に縮小させないのが適当と指摘した。財政再建策として消費税率の1%ずつの引き上げや炭素税など複数のシナリオを示している。

報告書は物価の先行きについて、「見通せる範囲内では(2%の)物価目標を下回ったまま」とした。その一方で、「商品価格の上昇、国際輸送費用の急激な上昇や昨今の円安が輸入価格の上昇圧力」となっているため、人々の物価見通しも「経済動向に伴い実際の物価上昇率が上がった場合は上昇していくとみられる」と指摘。「金融緩和策を早計に縮小させないことが適当である」と提言した。

財政政策については足元の経済対策を評価する一方、金利上昇によって債務が「雪だるま式」に増えるリスクに懸念を示し、財政健全化の必要性に言及した。「日本政府の債務に対する近年の純利払は、債務残高が上昇しているにも関わらず、国内総生産(GDP) の1%以下になっているが、近年の超低金利状態は、日本銀行の長短金利操作付き量的質的金融緩和の影響を強く受けたもの」と指摘した。

その上で、財政健全化の手法として複数のシナリオを提示。1)2023年から消費税率を毎年1%ずつ20%まで引き上げる、2)23年から32 年まで炭素税をトン当たり4000円まで引上げる、3)デジタル化による社会保障費用の改革で23年から20年間かけて歳出効率を10%改善する、4)25年から30年間かけ年金受給開始年齢を65歳から75歳に引上げる──などとした。

<税率上げなくとも税収増やせる>

報告書についてオンライン形式で会見したマティアス・コーマン事務総長は、消費税率の引き上げの必要性を問われ、「税率を上げなくても税収を増やすことができる」と述べ、財政再建に必要な政策手段は「民主的に選ばれた政府が判断すべき」と述べた。

報告書には新型コロナウイルスのオミクロン株の影響は織り込まれていないと説明した。オミクロン株の今後の影響について「現時点で判断するのは時期尚早」としつつ「過剰反応してもいけない」と指摘し、昨年前半の新型コロナ第1波以降に世界経済が順調に回復してきた点を強調した。

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