- 2021/08/02 掲載
米国、中銀デジタル通貨の開発急ぐべき=ブレイナードFRB理事
同理事はアスペン・インスティテュート・エコノミック・ストラテジー・グループ向けの講演で「ドルは国際決済で非常に支配的な存在であり、他の主要国がデジタル通貨、CBDCを提供しているのに、米国にはないという状況は、私には全く理解できない」と発言。「今後もそうした状態を維持できるとは思えない」と述べた。
FRBは現在、デジタル決済について詳細な分析を進めており、パウエル議長は7月、CBDC発行の是非について早期に決断する上で、そうした分析が重要なステップになると述べている。
同理事は「最も説得力のある使用事例は、仲介チェーンが不透明で、長く、割高な海外の領域にある」と指摘。
ただ、国内でも連邦政府が支援するデジタル通貨を導入する理由があるとし、「ステーブルコイン」の急増に触れた。ステーブルコインは、ドルなどの従来型通貨を裏付けとするが、政府の裏付けはない。
同理事は、ステーブルコインが乱立し、決済システムが分断されたり、1-2のステーブルコインが支配的な存在となる可能性があると指摘。
いずれのケースでも「ステーブルコインの世界では、通貨からの移行が極めて急激な場合、家計と企業が、政府の裏付けのある安全な決済資産へのアクセスを失うことが想像できる。もちろん、政府の裏付けのある安全な決済資産とは、通貨が常に提供してきたものだ」と述べた。
同理事は、CBDCについて、他の問題を解決する助けにもなると発言。新型コロナウイルスの流行時に、銀行口座を保有していない人々に対し、政府の給付金を支給するのが難しいという問題を挙げた。
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