- 2021/02/12 掲載
ゴールドマンやブラックロック、中国で新規採用拡大 規制緩和で
中国政府が、40兆ドル規模にのぼる国内金融セクターの対外開放を進めていることが背景。
中国は対米通商合意の一環などで、過去1年半、自由化を加速しており、投資銀行や資産運用の分野で外国企業による中国合弁会社の完全子会社化を認めている。
複数の関係者によると、出資比率拡大の認可を取得した欧米金融機関は、新型コロナウイルス流行への対応を終え、中国でのプレゼンス強化に向けた準備を進めてている。
中国政府は昨年4月に証券事業を完全に対外開放した。
先陣を切って証券事業を完全子会社化したゴールドマンの広報担当は、今年中国で70人を採用する計画を明らかにした。2024年までに人員を600人に増やす計画という。現在の人員は400人。インベストメントバンカー、ブローカー、アナリスト、技術スタッフを新たに採用する。
フィデリティも人員の急増を視野に入れ、昨年9月に上海のオフィススペースを3倍に拡張。全額出資のミューチュアルファンド子会社を立ち上げる準備を進めている。ミューチュアルファンド事業は昨年、外資出資上限が撤廃された。
フィデリティがロイターに明らかにしたところによると、同社は今年、大連のオペレーション・技術センター以外で、約100人を中国で採用する計画だ。
同社は「国際的な視点と国内への洞察力があるトップクラスの有能な人材の供給が不足しており、そうした人材を採用したい」と述べた。
求人情報検索サイトのグラスドアによると、ブラックロックは中国のウェルスマネジメント事業で、トレーディング担当バイスプレジデント、マーケティング戦略担当バイスプレジデント、リスク・定量分析担当トップなど少なくとも十数人の幹部候補を採用する予定。
同社はシンガポール政府系ファンド、テマセク・ホールディングス、中国建設銀行と共同でウェルスマネジメント分野の合弁事業を設立。51%を出資している。
ブラックロックはコメントを控えた。
業界関係者は、今後、人材獲得競争が起き、既存の金融機関も人材の引き抜きを警戒する必要があると指摘している。
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