- 2020/11/17 掲載
ANA、新卒採用10分の1以下に=コロナ禍、見えぬ出口―22年度
ANAホールディングスは17日、2022年度のグループ新卒採用を大幅に圧縮すると発表した。新型コロナウイルス流行で旅客需要が落ち込み、業績が急激に悪化したため。従来は3000人程度を採っていたが、22年度は10分の1以下の200人程度に絞る。コロナ禍の収束が見通せない中、経営立て直しへコスト削減を強化する。
航空大手では、日本航空が21年度の採用活動を中止。1700人程度の予定から約200人に減らしたほか、スカイマークも21年度の採用活動を取りやめた。コロナ禍の長期化で、新卒採用を絞る動きが他産業にも広がる可能性がある。
ANAの国内線の旅客需要は、政府の観光支援策「Go To トラベル」事業の押し上げ効果もあって回復基調だが、国際線は事業計画比でいまだ8割超の減便が続く。人件費や機材の維持費用など固定費が経営を圧迫し、21年3月期の連結純損益は過去最悪の5100億円の赤字(前期は276億円の黒字)に転落する見通し。
厳しい経営状況を踏まえ、主力事業会社の全日本空輸は冬の一時金を初めてゼロにする。定年退職や採用凍結などにより、22年度までにグループ全体で社員を3500人程度削減する方針だ。
21年度新卒採用活動は、コロナ禍の影響を受け中止し、約700人に絞った。22年度も客室乗務員や地上職らは見送る。一方、育成に時間が必要なパイロット、障害者、整備士は募集し、中途採用や専門性の高い総合職のジョブ型採用なども実施を検討している。
【時事通信社】
PR
PR
PR