- 2020/11/16 掲載
米PNC、BBVA米部門の買収交渉、100億ドル超=関係筋
関係筋が明らかにした。交渉は進んだ段階にあり、早ければ今週中にも発表される可能性がある。
PNCとBBVA・USAのコメントは取れていない。
買収交渉については、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が最初に報じた。
買収が実現すれば、米銀行業界では2008年の金融危機以降で2番目の大型買収となり、業界の統合が一段と進むことになる。買収で誕生する新銀行は総資産が5600億ドル近くに達し、24州で事業を展開することになる。
関係筋によると、PNCとBBVAは過去数週間、協議を進めてきた。次期大統領に民主党のバイデン前副大統領が就任し、共和党が上院で多数派を維持すれば、規制環境は変わらないと判断した。
PNCは約半年前に米資産運用大手ブラックロック<BLK.N>の株式22.4%を142億ドルで売却。税引き後の売却益43億ドルを今回の買収に充てる。
BBVAは2007年に米地銀コンパス・バンクシェアーズを96億ドルで買収し、米国部門としたが、関係筋によると、業績の低迷が株価の重しとなっていることを受けて、米国からの撤退を決めた。株価は年初から36%値下がりしている。
関係筋によると、交渉がまとまれば、早ければ16日にも発表する可能性がある。
米国では、金融危機後に総資産500億ドルを超える大手行に対する規制が強化され、合併・買収(M&A)活動が低迷していたが、トランプ政権が法人税減税や規制緩和を進めたこと受けて、銀行の資金余力が高まり、地銀の合併が認められるケースが増え始めた。
金融危機後では、地銀BB&Tによる同業サントラスト・バンクスの買収(280億ドル規模)が、米銀行業界で最大の合併となっている。
PNCは株式時価総額520億ドル。米国の中部大西洋岸、中西部、南東部を中心に事業を展開しているが、買収が実現すれば、テキサス州で事業を拡大できるほか、アリゾナ州、ニューメキシコ州など他の南部地域にも進出することになる。
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