- 2020/10/16 掲載
供給網の国内回帰予算に想定上回る応募、予備費で860億円を上乗せ
政府は、今回の新型コロナウイルス感染症により顕在化したサプライチェーンの問題を解決すべく、生産拠点の集中度が高い製品や衛生用品について、海外生産拠点の多元化や国内生産拠点の整備などのために補助金を設けた。20年度第1次補正予算では、国内回帰に2200億円、海外での多元化に235億円を計上した。
国内回帰について、現時点で決まっているのは、話題になったシャープ <6753.T>やアイリスオーヤマ(宮城県仙台市)の不織布マスク、セルスペクト(岩手県盛岡市)の新型コロナウイルス診断薬など57件・574億円。これら、すでに決まっている先行審査分を除き、1670件、約1兆7640億円の応募が集まったため、予備費での積み増しが決まった。
当初は10月中に採択先が決まる予定だったが、予備費での積み増しが決まったことで、やや後ずれすることになるという。
梶山弘志経済産業相は「事業者としてもサプライチェーン強靭化の必要性を強く感じていることを改めて認識した」と述べた。
一方、中国依存を脱し、東南アジア諸国連合(ASEAN)など海外での多元化について、梶山経産相は「企業から適切なスキルを持った人材や法令の運用の透明性が重要との指摘があることを踏まえると、補助金以外にも投資環境の改善について関係国に働きかけていく必要性があると考えている」とした。
(清水律子)
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