- 2020/10/15 掲載
G20財務相、コロナ禍収束と経済・金融安定に「あらゆる手段」
今回の会議では、低所得国の債務問題にケースバイケースで対応する「共通の枠組み」を巡り初めて原則合意。中国の対応に向け大きな前進が得られた。
ロイターが入手した共同声明の草案によると、財務相・中銀総裁は、来月のG20首脳会議までに新たな枠組みを最終決定することで合意。貧困国に対する債務返済猶予措置の6カ月間延長でも合意した。ただ、民間部門が返済猶予措置に参画していないことに遺憾の意を表明した。
麻生太郎財務相は会議後の記者会見で、「債務問題とG20行動計画、国際課税、金融セクター(ステーブルコイン含む)が議題になった」とした上で、「(中国に限らず)G20で透明性の重要性を主張した。(債務猶予に関しても)速やかな延長合意と、その後の基本方針の決定を促した。透明性がはっきりしないとできないと述べた」と明らかにした。
貧困国の債務問題について、国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は記者会見で、民間部門のほか、中国による返済猶予措置の参画が債務再編の成功の鍵になると指摘。より多くの主体の参画を呼び掛けた。
専務理事は公的な二国間債務の返済を2021年6月まで猶予する債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)の適用を申請している44カ国のうち、民間の債権者が参加しているのは3カ国とわずかしかないと説明。
IMFの広報担当者は、申請国は最近、モザンビークが加わり、44カ国に増えたと明らかにした。
専務理事は「残念なことに民間部門が尻込みし、対象国自体も民間部門に(債務返済猶予)を要請するのをためらっているのを目の当たりにしてきた。これらの国々がこれまでの数年に苦労して確保した市場アクセスが将来的に損なわれるとの懸念があるからだ」と指摘。
また、中国の公的な金融機関は一部しか参加していないとも述べた。「中国の公的金融機関は比較的新しい債権者との認識が中国側にはあるようだが、極めて大口の債権者であり、自国の金融機関をどのように扱うか、金融機関間の連携について国内的に成熟化が求められている」と語った。
*内容を追加しました。
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