- 2020/10/09 掲載
イオン、中間期は575億円の最終赤字 6―8月期は営業黒字化
三宅香・執行役は会見で「会社想定の上の方で着地した」と述べた。ただ、新型コロナの感染状況の先行きが不透明で、最も収益の比率の高い12―2月の業績次第で通期業績は大きく変動するため、現時点で通期の業績予想は据え置いた。
実際、緊急事態宣言が解除された後の6、7月の回復は想定よりも早かったものの、第2波の感染拡大が始まった8月には回復が一服した。さらなる感染拡大が、下期最大のリスクとなる。
吉田昭夫社長は、下期には雇用悪化などコロナのダメージが顕在化するほか、節約志向で価格競争は厳しくなるとみている。さらには「コロナが収束しても、マクロのマイナスインパクトが続く」と、慎重な見方をしている。同社では、新しい生活様式に対応したネットスーパーの拡大やレジの省人化、家で過ごすための需要への対応などを進める方針。
3―8月期の営業収益は同0.5%減の4兆2705億円、最終損益は575億円の赤字(前年同期は37億円の黒字)。新型コロナ対応による損失317億円など計500億円の特別損失を計上した。
食料品を扱うスーパーマーケットや、マスクなどの衛生用品を扱うドラッグストアは好調を維持している一方、衣料品やアミューズメントなどは苦戦している。
2021年2月期の連結営業収益は8兆―8兆4000億円(前年比7%減―2.4%減)、営業利益が500―1000億円(同76.8%減―53.6%減)の見通しを据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト8人の営業利益予想の平均は1270億円だった。
(清水律子)
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