ＧｏＴｏやマスク支出は無駄、他の使途が有効＝原田・前日銀審議委員

［東京　３日　ロイター］ - 名古屋商科大学ビジネススクール教授の原田泰氏（前日銀審議委員）は、「ＧｏＴｏキャンペーン」やマスク配布など、安倍政権の財政政策が新型コロナ感染症に効果的に対応できていないとの認識を示した。その結果として巨額の財政赤字を招いていることについて、東日本大震災のような増税での補填はかえって歳出の無駄を招くだけだとして、自然増収での対応が望ましいとの考えを示した。

一方、景気回復を後押しするために消費税を減税するという選択肢は効果が薄いと指摘、現在の景気悪化は外出自粛などによるものであり、減税しても景気悪化分の２割程度しか戻らないとの見方を示した。

金融政策での対応では、景気回復局面に際して、日銀による国債買い増しやマイナス金利深掘り、あるいは付利引き下げといった金利引き下げが効果的だと指摘した。

(中川泉　木原麗花)