- 2020/07/16 掲載
英経済、「不完全なV字型」回復に=テンレイロ中銀金融政策委員
消費者が新型コロナウイルスの流行を警戒するほか、社会的距離を確保する戦略で経済活動が制限され、失業が増える見通しという。
同委員はロンドン・スクール・オブ・エコノミクス主催のオンラインイベントで「行動反応を踏まえると、英経済の見通しは、引き続き国内外の新型コロナ感染症の流行状況に左右される」と指摘。
「感染拡大ペースが緩やかに低下すると想定した場合、国内総生産(GDP)が途中で遮られる形の不完全なV字型の軌道をたどるというのが、私の基本シナリオだ。四半期ベースで最初に回復するのは第3・四半期になるだろう」と述べた。
同委員は「強制的な休業だけが原因だった支出の落ち込みについては、すでに急激な回復の兆しが見られる」と指摘。
「ただ、リスク回避姿勢の継続や、一部セクターでの自主的な社会的距離戦略、また他のセクターに依然適用されている規制、失業全般の増加を背景に、回復は中断されるだろう」と述べた。
同委員は、物価の下押し圧力がしばらく続く公算が大きいと予想。需要には「かなりの下振れリスク」があると述べた。
「必要に応じて、経済を下支えするさらなる対策に賛成票を投じる用意が依然としてある」としている。
マイナス金利については、ユーロ圏などで、おおむね前向きな結果が出ているとの認識を示した。
次回の金融政策委員会の決定は8月6日に発表される。
金融政策委員会は先月、債券買い取り枠を1000億ポンド拡大することを決定。政策委員9人のうち8人が買い取り枠の拡大に賛成する一方、チーフエコノミストを務めるハルデーン委員は、景気の回復が「これまでのところ非常にV字型」だとして反対票を投じた。
*内容を追加して再送します。
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