- 2020/07/14 掲載
G7財務相、G20債務返済猶予策の完全実施を呼び掛け
米財務省の報道官によると、G7財務相は融資に関する透明性向上の必要性を強調。中国によるアフリカをはじめとする発展途上国向けの融資の多くに秘密保持の義務が課せられている問題が念頭にあるとみられる。
18日に予定されるG20財務相の電話会議を前に、G7財務相は新型コロナウイルス感染拡大に対し現在実施されている国内、国際的な経済対策や、世界経済の予想以上の落ち込みを克服するための戦略について協議した。
中国が主要メンバーであるG20は4月、パリクラブ(主要債権国会議)とともに、最貧国73カ国に対し年末まで債務返済を猶予することで合意。新型コロナ対策の財源として推定120億ドルの確保が可能になるとされていた。ただ、G20の債務支払猶予イニシアチブ(DSSI)の実施には課題が多く、世界経済の大幅な落ち込みを受けて返済猶予の延長や拡大を求める声も出ている。
エコノミストらによると、中国が中国国家開発銀行や国有企業を同計画に入れることを拒んでいるほか、中国のアフリカ諸国への融資の多くに含まれている秘密保持義務への懸念が、返済猶予の実施を遅らせる原因になってきたという。さらに、民間企業の参加も停滞している。
米政権当局者によると、G7財務相は、中国が透明で完全な形で参画する必要性について討議した。
これまでのところ、DSSIの下で41カ国が猶予を申請。パリクラブはエチオピアやパキスタンなどを含む20カ国と合意に署名している。
世界銀行のマルパス総裁はロイターへの声明で、債務再編の取り組みや債権者と債務者のデータを突き合わせる作業を円滑にするためには、透明性の確保が非常に重要だと強調。
「G20が債務支払い猶予の範囲を広げ、延長し、民間の債権者が参加することが重要だ」とした。
マルパス総裁は先週、2021年までの返済猶予の延長に支持を示すと同時に、最も大きな債務を抱える国に対する恒久的な債務減免を行う必要があるとの考えを表明した。[nL4N2EF3LE]
G20財務相は18日に開く電話会議で債務返済猶予について協議する。この日は国際商業会議所(ICC)や国際労働組合総連合(ITUC)などがG20に対し債務返済猶予措置の拡充と延長を呼び掛けた。
*内容を追加しました。
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