- 2024/11/27 掲載
仏国債スプレッド、ユーロ圏債務危機以来の幅に拡大 予算案巡り懸念
財政赤字の圧縮を目指し歳出削減と増税を盛り込んだ25年度予算案でバルニエ政権と対立する極右・国民連合(RN)の指導者マリーヌ・ルペン氏は不信任投票で政権を退陣に追い込む構えを見せている。
バルニエ首相は26日、TF1に対し、政権が崩壊すれば財政的に混乱に陥り、予算が成立しなければ、金融市場に深刻な打撃を与えると述べた。
午前のパリ株式市場では、銀行株が売られBNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、クレディ・アグリコルが2─3%下落。
仏10年債利回りは、対独国債スプレッドが90ベーシスポイント(bp)と、12年余りぶりの幅に拡大。ジェフリーズのストラテジスト、モヒト・クマール氏はスプレッド拡大は、バルニエ政権が予算を乗り切れないのではないかという懸念を反映すると指摘。「バルニエ政権は存続するだろうが、予算で一定の譲歩を迫られる」との見方を示した。
仏国債スプレッドは、半年前は現在の約半分の47bpだったが6月にマクロン大統領が解散総選挙を表明すると、政局・財政懸念から80bpを超えた。
上院議会は来週、予算案の審議を開始する。
格付け会社S&Pは29日にフランスの格付け見直しを発表する。前回5月の見直しでは予想以上の財政赤字が債務を拡大させるとの見方から長期格付けを「AA」から「AA─」に引き下げた。
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