- 2024/11/15 掲載
スカニア、電池セル調達はノースボルト社以外からも=CEO
[東京 15日 ロイター] - スウェーデンの商用車大手スカニアは、同社が生産を計画する電気トラック向けの電池について、現在の提携先である同国電池セルメーカー、ノースボルト社以外からも調達する可能性がある。
スカニアは独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の商用車部門トラトンの傘下にあり、トラトンとスカニアのCEOであるクリスチャン・レビン氏が14日、ロイターとのインタビューで明らかにした。
レビン氏は、どのメーカーと提携するのか具体的な社名は挙げなかったが、「彼ら(ノースボルト)に問題が発生した場合に備え、我々が問題に陥らないよう、あらゆる企業と話をしている」と語った。
今後数年間で生産量が増加すると予想されるため、他の供給先との提携は常に計画されていたとも語った。
ノースボルトは、生産面での問題や需要の低迷、中国との競争に苦戦しており、9月下旬に1600人の人員削減や電池増産計画の撤回を発表している。
一方、レビン氏は「業界で唯一のグリーンセル」を製造している同社との提携継続も望んでいるとし、「私たちはどんな形であれ、彼らを支援する」とも話した。
スカニアは2030年までに販売台数の半分を電気トラックにする計画だが、現状、電気トラックは販売の1%にも満たず、資金繰りに苦しむノースボルトの生産・納品問題でその展開も妨げられている。
年次報告書によると、VWはノースボルト株式の21%を保有する最大株主だが、今週、VWの投資責任者がノースボルトの取締役会を退任した。この動きについて、VWはコメントを控えた。ノースボルトとVWは21年、今後10年間にわたる140億ドルの供給契約を締結した。
アジアでの展開を巡っては、レビン氏は「アジアは大きく、投資を継続する必要がある」と指摘。進出から15年が経った日本市場は「潜在的な成長の可能性を秘めた市場」の1つと位置づけているとした。レビン氏は新たに生産拠点を構える中国を含むアジア歴訪の一環としてこのほど来日した。27年までに日本国内の保有台数を現在の約2500台から約6000台に、整備拠点を41から60に増やす目標を掲げている。
レビン氏はまた、電動化移行計画が直面しているより高いハードルは、環境対策を加速させる政治的意思の欠如だと話す。
関係筋によれば、脱炭素に否定的な次期米大統領ドナルド・トランプ氏は、現政権による電気自動車の税額控除政策を廃止する方針で、米国を温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から再離脱させる可能性もある。
レビン氏は「トランプ氏だけが問題なのではない」とし、「電動化シフトが遅々として進まず、政策立案者も十分な支援を行っていないことを世界レベルで懸念している」と語った。
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