日銀は１日、９月１９、２０日に開いた金融政策決定会合での「主な意見」を公表した。政策委員の間から「現在の緩和的な金融緩和を粘り強く続ける我慢の局面だ」などとして、さらなる利上げを急がない意見が相次いだ。金融市場や米国経済の先行きに不確実性が高いと判断し、「丁寧に確認していくことが重要だ」との見方が示された。

日銀の７月末の利上げ決定後、米景気の後退懸念もあり、株価と円相場は乱高下した。委員からは「金融市場が不安定な状況で利上げすることはない」「金融緩和の一段の調整は不確実性が低下した段階にすることが妥当」などの意見が表明された。

米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）は９月に大幅利下げに踏み切ったが、委員の一人は「米経済やＦＲＢの利下げペースに関する不確実性が増している」と指摘。別の委員は「利下げの幅によっては、ドル安・円高、株安となるリスクがある。見極めに時間を要する」と警戒感を示した。

一方、国内の経済・物価動向については「オントラック（想定通り）」との見方が出た。ある委員は「見通しに大きなマイナスがないことが確認できれば、時間をかけ過ぎず、（政策金利を）引き上げていく」として、利上げ路線を堅持する考えを表明した。

日銀の追加利上げが市場にサプライズを生んだことを踏まえ、委員からは「市場との対話を従来以上に丁寧に行う必要がある」などの意見が出された。

【時事通信社】